◇コラムトップ |
2019.11.22.Up Dated. |
数字で見るREIT相場 |
11月に入ってREIT相場が動いています。 東証REIT指数の動きでみると、10月は2,200ポイント台で推移していましたが、11月8日に2,100ポイント台に下がり、11月20日から再び2,200ポイント台に戻っています。 REIT市場の月間売買高は、9月が3.01兆円と過去最高の取引高を示しましたが、10月は3.34兆円と過去最高額を更新しました。過去の月間売買高をみると、2兆円程度が上限でしたから、約1兆円分の資金が新たに流入しているとも言えます。 この増加分の大半は外国法人と証券会社(自己取引)が占めていますから、現在の相場は外国法人と証券会社によって作られていると言えます。 次に、相場の過熱感を測る尺度として時価総額/保有資産総額(取得価格ベース)の比率を見ると、2,200ポイント台では90%超の比率になります。 時価総額の理論的価値は55%~60%程度だと考えられますから、これにどの程度のプレミアムが乗せられているかが過熱感になります。 因みに2006年~2007年のファンドバブル期は100%を超えていましたから、100%超になればバブルだと言えますが、現在は90%超とバブル手前の状態です。 これらを整理すると、 ★1兆円分の新規投資資金(恐らく短期資金)の流入によって相場が押し上げ られている。 ★相場を押し上げている主体は外国法人と証券会社 ★相場の過熱度はバブル手前に達している という事になります。 この背景には、米国債利回り動向を含めていくつかの要素が絡んでいますので、全く根拠がないとは言えませんが、長期投資商品であるREITとしては、今は好ましくない状況です。 一方、短期筋の資金からみると、相場の動きは大きくなりますから、上手く立ち回れば稼ぎ時になりますので、こういう時はキャピダルゲイン狙いの取引によって相場が作られてしまいます。 従って、インカムゲイン狙いの投資家は、暫くはウェイティングというのが賢明な判断だと思います。 |
Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved. |