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2019.10.25.Up Dated.
資産形成と金融商品

 将来に備えて資産を形成したいと考えている人は多いと思いますが、今はマイナス金利の状態なので、預金では資産形成にはなりません。それに預金は不時の出費に備えての資金ですから、どうしても目減りしていきますので、少しでも増える方法はないかと考えるのは自然です。そういう考えに至って、何か堅実な投資商品はないかと探し始める人が多いのが実態ではないとか思います。
一方、投資商品を薦める側は、必ずしも顧客本位ではなく、自社の利益の最大化を図っていますから、何処に相談すれば良いのかというハードルが最初に訪れます。
金融庁は指導によって、投資勧誘業者に顧客本位の姿勢を取り入れるよう催促しているようですが、これは自社の利益優先(目先の利益)をしている企業には響きません。私もかつては不動産販売業者に籍を置いたことがありますが、比較的穏やかな社風であったこともあって、顧客の立場も考えての営業が出来ましたが、全ての社員が出来ていた訳でもありません。また顧客からの信用をどれだけ重視するかは上層部の考えが反映されますから、一線の社員の裁量の余地は小さくなります。
このように考えると、投資勧誘業者へ期待するだけでは何も変わらないと言えます。
本来は、根本的な制度や仕組みから考え直さなくてはならないのと、投資商品のリスクを合理的に解説するには高い知見が必要になりますから、人材の質が問われます。
次に、顧客側から見れば、何処で投資商品を探せば良いのか、誰の話を聞けば良いのかという事から始めなくてはなりません。 自分の投資目的に合った投資商品、納得できる解説を探せる人は良いですが、大半の人は難しいのかもしれません。この状況を行政が改善しようと思っても、具体的な手法は見つからないと思います。
それでもこういう時代なので、少しでも投資が出来る環境を整える必要がありますから、投資勧誘業者の監督官庁である金融庁も何かしないとならないのです。

私はREITの解説を20年近く続けていますが、率直に言って20年前と今もREITの投資環境はそれ程変わっていません。 それでも10年以上前から定期的に投資家セミナーを行っていますから、僅かながらREITを知る機会が増えたとは言えますが、一般に知られるような存在でもありませんから、 REIT投資を始めたいと考えた人の1割以下程度しか私のセミナーは探せないと思います。 私はこのようなマイナーな存在であることが、自由を確保できると考え、殊更に名前を売る気がありませんから、REITに関しては今後もこの状況は変わらないだろうと思います。それでも私のセミナーに参加したことで少しでも役立てばと思い、10年以上続けています。
その一環で11月9日にREIT初級セミナーを開催する予定です。これに参加して頂ければREITの初歩は理解できると思います。


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