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2019. 8. 2.Up Dated.
FRBの利下げについて

 米国FRBが利下げを発表しましたが、既に投資市場は利下げを織り込み済みでしたので、関心は金融緩和方向へ動くのかという点に絞られていました。
所が、パウエル議長はこれ以上の利下げはないとして、引き続きの利下げを否定したことで、FRBが意図している長期金利水準が2.0~2.25%の範囲となり、トランプ政権や株式市場からは失望の声が上がっています。
因みに、今年の米国10年債利回り動向を見ると、次のようになっています。



今年の最低値は7/3の1.96%で、利下げが発表された7/31は2.02%ですから、金融緩和期待が萎んだ利下げ発表になったとも言えます。
一方、米国債利回りに準拠して相場が動いているREITは、利下げの発表後に東証REIT指数は前日比-0.2%と下がりましたので、同様にこれ以上の利下げがないと予測しての動きだと言えます。
こうなると、東証REIT指数2,000ポイントが天井となるのは確実ですから、何れは落ち着いて2,000ポイント以下の水準に戻ると考えられます。
問題は落着水準の見方になりますが、例年8月は市場取引が低下しますので1,950ポイント前後になると予想され、日によっては1,900ポイント近くまで下がる可能性もあります。
今後のREIT相場の行方は、9月からの動きによって決まりそうですが、秋からは米中貿易摩擦が最終段階まで進む(中国からの輸入品全てに関税が課せられる)可能性があり、更に10月は英国のブレクジットもありますから、マイナス要素が多いのも確かです。
このように考えると、今秋以降はREIT投資のチャンスが巡ってくるという期待も持てます。
REITの状態とは直接関係のない要素によって、相場が調整されるわけですから、利回り上昇が見込まれことで、狙っていた銘柄を拾うチャンスになります。
8月末には大阪で投資家セミナーを行う予定ですが、もしかしたらちょうど良いタイミングになるかもしれませんので、これから色々な分析を行って少しでも明確な見通しを出したいと思っています。


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