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2019. 6.21.Up Dated.
金利の低下について

  米国10年債の利回りが2.0%に近付いていますが、これはFRBの利下げを織り込んだ動きだと言えます。
これにより米国の株式市場が上昇していますから、その影響で日本の株式市場の相場も上がっています。
一方、REIT市場は株式市場とは逆相関で動いていましたが、今回はREIT相場も上昇しています。
このように日本の投資市場を動かしているのは、米国の金利動向ですから、米国の利下げが何を意味しているかを考える必要があります。
利下げは金融緩和を意図していますから、その主たる狙いは景気浮揚ですが、今の米国の景気は決して悪くはありません。
それでも景気浮揚策を採るのは、米中貿易摩擦によって米国内の物価が上昇し民間消費が低下するのを防ぐためだと考えられます。
換言すれば、FRBは米中貿易摩擦が長期化すると見て、その影響を緩和するための金融政策を採ったという事になります。
これを投資市場が前向きのサインだと見て、相場を上昇させていることになりますが、よく考えるとおかしな動きだとも言えます。
米国は景気失速を抑制するための金融政策を採っている訳ですから、景気が更に拡大するという事には繋がりません。
それでもNY市場の株式は上昇していますが、米国の株式市場の動きは兎も角としても、日本の株式市場が単純に追随して良いのかを考える必要があります。
REITに関しては、米国債利回りが2.0%~2.3%程度の範囲で動いていれば、今の相場水準で推移しそうですが、仮に2.0%を切るようになれば、2,000ポイントに向かって上昇する気配です。
本当にそれで良いのかを考えなくてはなりません。
確かにREIT相場は米国債利回りの影響によって動いていますが、今回のような利下げ局面で機械的に相場が上昇するのを容認するか否かです。
REIT自体の動きとは直接関係ない要因で、何処までも相場が上昇するのは合理的ではありません。
既にREIT相場は過熱状態と見做される一歩手前まで上昇していますから、他律的要因で危険水域まで相場を上昇させてしまえば、その反動が大きなリスクになります。
ここで冷静にならないとREIT投資家とは言えなくなり、単なる相場師になってしまいますから、今は大事な時期だと考えて行動する必要がありそうです。


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