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2019. 3.29.Up Dated.
投資家別のREIT投資手法

 REITは基本的には保有型のインカムゲイン投資商品ですが、市場では日々投資口価格が動きますから、株式投資のようなキャピタルゲイン投資を狙う投資家も居ます。
但し、キャピタルゲイン投資一本でREIT投資を行っている投資家は少ないようで、長期保有分と短期保有分と分けて投資を展開していると考えられます。
中でも外国法人はこの2本立てでREIT投資を行っていると考えられ、長期保有は概して市場評価の高い銘柄、短期保有(短期売買対象銘柄)は別立てでプログラム取引を行っていると考えられます。
国内の機関投資家にも同様の傾向が見られますが、売りと買いのタイミングは外国法人とは異なっていますから、プログラム取引ではないのかも知れません。
では、個人投資家はどうなっているのでしょうか。
相場変動を狙った短期投資を行うには、投資資金が1,400万円程度は必要になりますから、個人には負担が重くなりますので、短期売買だけを行っている個人投資家は少数派だと言えます。
それでも短期売買で失敗し損を出した場合でも最大で10%程度ですから、150万円位がリスクの上限と考えチャレンジしている投資家も居るとは思います。
REIT投資を行っている個人投資家は富裕層が中心のようで、投資資金もかなりの額に及んでいて、億単位の資金を投入している個人投資家も少なくはないようです。
このような投資家は、原則として長期保有のインカムゲイン型投資を展開しているようで、短期売買には余り興味を示しません。
一例として挙げれば、全銘柄をIPOとPOで購入する投資パターンであれば、必要資金は5,000万円~1億円になります。(1口単位で購入するのではなく、銘柄によって投資口数の軽重を付けて投資をする為)
そしてこのケースでの分配金利回りは5.5%/年程度は得られていると考えられますから、仮に1億円投資をしていれば、年間で500~600万円の分配金が得られ、しかも毎月分配金が手元に届きますから、無理する必要もありません。
IPOとPOで投資をしていれば、元本割れ起こす局面はかってのリーマンショックの時のような事態しか想定されませんから、それ程神経質になる必要もありません。
このように資金さえあればREIT投資は簡単かと言うと、必ずしもそうではありません。
銘柄によって軽重の付け方が肝になりますから、各銘柄の特徴を把握しておく必要があります。
更には市場価格がIPOやPOの価格を下回った場合入れ替えも考えなくてはなりませんから、常に相場動向もウォッチしておかなければなりません。
それでもこの投資パターンであれば、将来の年間の年金受領総額を上回る分配金が得られますからかなり魅力的な生活設計が出来ます。
このように機関投資家と個人投資家ではREIT投資の目的がかなり異なりますから、一律で考えることが出来ませんが、国内投資家にとってREIT投資の王道は長期保有のインカムゲイン投資と考えている事は間違いないと思います。


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