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2019. 3.22.Up Dated.
REIT市場の見方

 東証REIT指数が上昇していて、1,900ポイントが目前に迫っています。
この相場の解説としては、年内は米国FRBの利上げが停止されるとの見通しと、場合によっては利下げもあり得るとの予想がベースになっていると考えられます。
元々REITの利回りは米国10年債利回りに準拠していましたから、米国の金利上昇が止まればREITの利回り上昇もなくなるという考え方になります。
但し、これは単純な相場の見方ですから、このような通り一辺倒の解説を鵜呑みにしてはいけません。



上のグラフは、2018年1月~2019年2月間の投資家別月間売買差引の推移を表しています。
グラフを見ると一目瞭然ですが、REIT市場では買い越しを行う主体が外国法人と証券会社(自己取引)で、売り越しを行う主体が金融機関・投資信託・個人と明確に分かれています。
特に直近の2019年2月を見ると、証券会社の買い越し幅が前月比で約2倍強まで膨れ上がっていますから、証券会社が相場を引き上げようとしているのは明らかです。
一方、証券会社以外の国内投資家は売り越し幅を増やしていますから、証券会社の相場誘導には応じておらず、逆に売り越しを強めています。
これがREIT市場の取引実態ですから、証券会社の思惑に乗れば、相場は上げ潮という見方になりますが、証券会社以外の国内投資家の見方に従えば、証券会社が作っている化粧相場には乗らないという捉え方になります。
REIT投資をしている人であれば、証券会社の思惑に乗るという人は少数派でしょうから、今の相場は自らの投資ポートフォリオをリストラするタイミングだと言えます。幸いにも証券会社が相場を引き上げていますから、IPOで失敗した銘柄や将来性が弱い銘柄を整理することが出来ます。
そして売却資金は一旦手元にプールしておいて、買うタイミングを待てば良いと言えます。
とはいえREIT投資に不慣れな人は、上げ潮相場に乗っかりたいという欲目で相場を見るかも知れませんが、日本ビルファンド投資法人の投資口価格を見ると、既に見做し額面価格の3倍に達していますから、どう考えても上限です。
従って、今以上に相場を上昇させるには、従来の市場評価序列を崩すか、銘柄毎の評価差を小さくして、トップの日本ビルファンド投資法人に近い水準まで価格を引き上げるしかありません。
仮にこうなればREIT市場は再びバブルになりますし、今まで市場が築いてきた根拠が無くなってしまいます。
何が何でも相場を引き上げたいと思っている主体は、理由や根拠などは関係がありませんので、無茶な取引を展開していく可能性がありますから、ここ暫くは醒めた目で相場動向を見ておく必要がありそうです。

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