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2019. 2. 8.Up Dated.
2019年のREIT市場の動き

 昨年末に親戚が緊急入院し、その後療養を続けていましたが、1月末に天寿を全うしました。
その為暫くは私事で忙しくコラムも滞りがちになりましたが、一段落しましたのでこれからは通常通りのペースに戻れそうです。

さて2019年のREIT市場を見ると、東証REIT指数がほぼ1,800ポイント台で推移していて、証券会社は早くも年内には2,000ポイント超えという強気な予想を出しています。
証券会社の根拠希薄な強気の予測は毎度の事ですが、強気な見通しの裏にはREIT相場を引き上げようとする意図が感じられます。

「グラフ」


上のグラフは2019年の日次での売買高(棒グラフ)と東証REIT指数(折れ線)の推移を表しています。
折れ線を見ると分かるように、右肩上がりになっていますから、相場が上昇しているという見方になりますが、日次の売買高を見ると、それ程活発化している訳ではありません。
また東証REIT指数の動きと売買高とは相関関係がありませんから、売買高の推移によって東証REIT指数が上昇しているのではなさそうです。
更に東証REIT指数も前日比の騰落率の期間合計は4.1%のプラスに過ぎませんから、グラフのように一直線に上昇しているのではなく、上がっては下がるという繰り返しで揉みあい状態の相場だとも言えます。

このような相場の動きは過去に何度も経験していて、投資家別の売買で見ると、証券会社が大幅買い越しで相場を引き上げようとするものの、金融機関と国内個人が逆に動くことで相場を鎮静化させてきました。
恐らく今回もその動きだと推測されますが、期末に向けて証券会社が仕掛けてきたとも言えます。
相場を上昇させれば、投資法人の増資が活発化されることで証券会社も潤いますのでメリットはありますが、今回はかつて程増資が頻発しません。
その理由は増資とセットになる物件取得環境が厳しい為で、無理に高値取得をすると機関投資家の反発が大きいことが響いていると言えます。
増資による分配金の変化については、解析が進んでいて、目先の動きだけでは判断されなくなっていますので、下手な外部成長は投資家の評価を落とします。
資産運用会社も機関投資家のシビアな見方は感じ取っていますので、ここで無理をしなくてはならない積極的理由(スポンサーからの圧力等)がなければ動きません。
現在のREIT相場の実態は大凡こんな状態ではないかと思っていますので、REIT投資家は冷静に見なければならない時期だと言えます。


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