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2019. 1.11.Up Dated.
2018年の銘柄別の投資口取引動向

 昨年1年間の上場銘柄の市場取引動向を見ると、やや意外な結果になっています。

「取引活発度ランキング」  (※2018年上場銘柄を除く)
順位 銘柄 出来高/発行済投資口数 投資口価格の
年間合計騰落率
1 投資法人みらい 158.60% 2.10%
2 大江戸温泉リート 131.70% -8.30%
3 Oneリート 122.80% 9.80%
4 いちごホテルリート 114.40% 11.50%
5 インベスコ・オフィス・ジェイリート 113.00% 9.90%

この表は、昨年1年間の銘柄別出来高を年末時点の発行済口数で割った比率で上位5銘柄を表示しています。
併せて投資口価格の年間騰落率も記載していますので、市場取引の傾向が分かると思います。
取引活発度第1位は投資法人みらいになっていますが、元々この銘柄の市場評価は全61銘柄の中で50位前後の位置になっていますから、それ程の人気はないと考えられましたので、この数字は意外な感があります。
尤も2位・3位のOneリートと大江戸温泉リートもみらいと同程度の市場評価になっていますから、市場評価の低い銘柄の取引が活発だったとも言えます。
但し、騰落率を見ると、みらいはほぼ横這い、大江戸温泉リートは下落、Oneリートは上昇ですから、取引された内容には違いがあるようです。
特にみらいは売りが出ると買いが入るか、買いが入ると売りが出るという状態だったようで、取引の成立し易さでも一番だったようです。
みらいの投資口価格はIPO価格前後で推移していますから、既存投資主が積極的に損切に出たとは考えられませんから、買いが入り易いので売りに回ったというのが取引の実態なのかも知れません。
そうなると買い主体は誰なのかという疑問が湧きますが、投資家別の取引動向から見れば、外国法人か証券会社(自己取引)だと推測されます。
証券会社の場合は、主幹事証券会社が買い支えているという見方も出来ますので、このような動きもあったと考えられますが、メインの買い主体は外国法人だと推測されます。
外国法人と言っても、従来からREIT市場で取引している欧米系のファンドではなく、新たに参入してきた海外投資マネーではないかと考えていて、それはチァイナマネーだと思います。
みらいは中国系ファンドがスポンサーになっている投資法人ですから、新規参入してきたチャイナマネーとの親和性は高いだろうと考えると、何となく納得が出来ます。
私は昨年からREIT市場に新規参入してきた海外マネーをチァイナマネーが主体だと考えていますが、このような取引動向も一つの根拠になっているのです。


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