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2018.12.21.Up Dated.
米国債利回りについて

 FRBが今年4回目となる利上げを発表しました。引き上げ幅は0.25%ですが、利上げ発表前の12/19の米国10年債利回りは2.77%まで低下していましたから、この利上げによって3.0%超になると思われますが、これも一時的かも知れません。

下のグラフは2018年(~12/19)の米国10年債利回り推移です。



このグラフを見ても分かるように、米国債利回りはFRBの利上げによって一旦は上昇しますが、直ぐに買われて下がるという展開を繰り返していますので、恐らく今回も同様の動きになりそうですから、結局は3.0%程度が巡航水準なのかも知れません。
来年は2回の利上げに縮小されるようですから、この動きから推測すると、米国10年債利回りは3.0%と見做しておいても良さそうです。

REITの分配金利回りは、米国10年債利回りに一定のスプレッドを乗せて形成されていますから、前述のように米国10年債利回りが3.0%で落ち着くようになれば、値動きは安定する可能性があります。
12月のREITの全上場銘柄の単純平均利回り(次期予想分配金ベース)は4.74%前後になっていますから、米国債利回りに対して1.7%程度のスプレッドなので、今後も現在の相場を基準として多少上下に振幅する相場になりそうです。
但し、既存銘柄・新興銘柄に分解すると、両者の利回り差は1.2%位まで拡大していますし、市場評価の比較的高い既存銘柄間でも日本ビルファンドの2.8%~ジャパン・ホテル・リートの4.8%と幅があります。
こうなると平均値は余り参考になりませんので、投資家はターゲットとする銘柄を定めて、個々の銘柄の値動きによる分配金利回りを算出して投資タイミングを決める必要が生じます。
既にREIT投資では東証REIT指数に基づいたインデックス投資は難しくなっていましたが、今後は分配金利回りの平均値もマクロのデータでしかなくなるので、更に詳細な見方を要求される市場になりつつあると言えます。


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