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2018. 9.14.Up Dated.
個人投資家のREIT投資

 ここのところ多くの雑誌からREITの取材申し込みがあります。株式市場が今一つ冴えない状況の中で、高い利回りを出しているREITへの注目度が高まっているという背景があるようです。
この影響なのかは分かりませんが、8月のREIT市場の売買動向を見ると、他の投資家は前月に比べて取引高が減少していますが、個人投資家だけは増えています。
尤も私の取材コメントは従来通りでイケイケの感じではありませんから、投資促進には寄与していないと思いますので、単に注目度を少し上げる程度です。
REIT投資を行うには、事前にしっかりした準備が必要ですし、少なくとも投資を行えるレベルまでの知識を習得する必要がありますから、ブーム的にREIT投資を開始するのは避ける必要があります。
その為にはREITのセミナーを探して参加するのが早道ですので、取り敢えず無料のセミナーに参加して少しずつレベルを上げていく方法が良いかも知れません。
雑誌も一つの情報源にはなりますが、REIT特集を読んだだけで投資を開始するのは拙速です。
特に今のREIT市場は機関投資家が比較的厳しい見方をしていますから、それらの動向を理解するのは簡単ではありません。
また新聞等で報道される不動産市況や賃貸市場動向でREITの銘柄を選別するのも妥当ではなく、個々のREIT銘柄の資産運用の考え方を知る必要もあります。
元々REITは外的環境の変動による収益の上下を抑制する仕組みになっていますから、外的環境の変化が収益にストレートに反映されません。
また一時的な分配金の上下の振れと長期的な巡航水準の変動要素を区別して見る眼力も必要になりますから、これらの知見を習得してからのREIT投資がベストです。
こうなると簡単ではありませんから、そこまでのレベルに行くには時間も労力も掛かりますので、長期で取組める人向きになります。
尤も投資は自分のリスクですから、この位の努力はどうしても必要になりますので、REIT に興味を持ってから実際に投資を行うまで1年程度の準備期間があっても良いのです。
どうしても今投資を行う必要があるという事もありませんから、じっくりと構えて投資が出来るというのがREIT投資の特徴でもあるのです。


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