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2018. 7.27.Up Dated. |
最近のREIT市場の動き |
7月の第3週末の20日に東証REIT指数が1,782.36ポイントに達しました。 このまま1,900ポイントへ向かうかと思いましたが、週明けの23日から戻り始めて24日には1,756.06になり、直近の26日も1,756.66ポイントの水準に留まっています。 この週明けから相場の戻りは、新たに流入した資金が引き揚げられ始めたのかと思いましたが、個々の銘柄の取引を詳細にみるとそうでもなさそうです。 6月から本格的に流入した投資マネーの動きが分析できましたので、その動きと今回の調整の動きを比較すると類似性がありません。 従って、国内投資家が相場上昇局面に懸念を感じて売りを強めた結果ではないかと考えられます。 今までは、こういう局面では証券会社が頑張って買い越しをしましたが、今回は証券会社も相場に懐疑的になっているのかも知れません。 私の推測ですが、証券会社のREITに対する投資姿勢は6月から後退していますが、これは日銀の金融政策の転換を見越しての動きではないかと考えています。 既に日銀は金融政策の見直しの検討に入っているようですが、大きく変更される可能性はなさそうで、小出しの範囲だろうと思います。 そうなると、比較的インパクトの小さいREITの買入の見直しから始めるという見通しを証券会社が持ったのか、又は日銀がそれとなく証券会社にリークしたのかも知れません。 このような見通しを国内投資家が共有したとすれば、23日からの相場の戻りは自然の動きですが、6月から流入した海外投資マネーには伝わっていない可能性があります。 但し、仮に広く海外投資家に伝わったとしても、直ちに相場が下がるとは限りません。 REIT市場に流入した背景を考えると、日銀の買入が停止又は縮小しても、全てを引き揚げるとは思われませんから、恐らく相場は現在の1,750ポイント前後で一旦膠着すると考えられます。 問題は、流入した資金が本格的に引き揚げられるタイミングで、これが始まると、東証REIT指数は1,600ポイント台に戻ります。 何が契機になるのかは分かりませんが、国際状勢の変化や貿易摩擦の進行によって起こり得ますので、暫くは油断出来ない相場が続くと思われます。 |
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