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2018. 7.13.Up Dated.
REITへの投資マネーの流れ

 6月の投資部門別売買動向が発表されました。
このデータをみると、前回のセミナーで予測した新たな海外投資マネーの流入傾向が表れています。
6月のREIT市場の取引は、証券会社の買い越し幅がかなり縮小し、その他の国内投資家は何れも大幅売り越しでしたが、外国法人だけが超大幅買い越しになりました。
買い越しの勢いは、2016年2月のマイナス金利発表時の買い越し幅に迫っていて、合計売買金額も外国法人だけが前月を上回っていて、その他の投資家は前月より売買金額が減少していますから、外国法人だけが独り気を吐いた相場です。
マイナス金利の時もそうでしたが、外国法人の強気な買い越しに対して、国内投資家が大幅売り越しで応えた為に、相場は上昇せず、結局外国法人は含み損を抱えました。
今回も同じになるかは分かりませんし、外国法人の大幅買い越しは長くは続きませんが、7月の相場動向を見ても、現在の流れは変わっていないようです。
しかし外国法人が息切れした時に相場が調整されますので、例えREIT相場が上昇基調になっても付和雷同するのは危険です。

6月のような特徴的な取引があると、データ分析によって、投資家の取引実態を解明することも出来そうですので、別のデータと組み合わせて分析中です。
また6月の銘柄別の動きを調べれば外国法人好みの銘柄も分かるかも知れませんから、これは今後のREIT投資の参考になります。
これだけ投資環境が頻繁に変わるとどうして良いか分からないと思う人も多いでしょうが、REITは基本的には国内需要だけで収益が成り立っていますから、直ぐに影響が出ないのと、仕組み的にも収益安定化を図れる余地があるので、質の高い投資法人程こういう環境への耐性があると言えます。
但し、銘柄選別は益々難しくなってきますから、今後はこれらに対応した解説が求められますので、その準備を始めていて、次回の大阪開催セミナーで盛り込もうと考えています。


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