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2018. 7. 6.Up Dated.
日経平均とREIT相場

 7月に入って日経平均は4日連続で下落し、4日間で▲3.4%(金額では▲757円)と調整が進行しています。これは、米中の貿易摩擦が本格化しつつあることで、株式市場が懸念を抱いている為だと考えられますが、更には落着点も見えないので投資家の不安心理を誘っているとも言えます。
一方でREIT市場をみると、7月の4日間は+0.25%(指数では+4.5ポイント)と日経平均とは異なった動きになっていますが、REITが日経平均と逆に動いているとは言えず、相場判断に迷っているような状態だと言えます。
2018年のREIT相場は、日経平均と順相関の動きが強かったので、日経平均の調整に引き摺られつつも、ストレートには反応しないという事ですから、今後の相場動向の読みが難しくなります。
REITの本来の商品性からみれば、株式とは逆相関になるので、日経平均が下がって株式市場が軟調になれば、資金がREITに流れてREIT相場が上昇するとの見方も出来ますし、実際に2017年はそのような動きなった時期もあります。
但し、2018年のREIT市場で買い越し基調になっているのは証券会社と外国法人で、この2者は日経平均の動きと順相関で動いていましたから、今回の調整局面でどのような投資態様を採るかによってREIT相場の流れが変わります。
外国法人は、米国の利上げも織り込みますから、今後は強気な姿勢は続けられない可能性もありますが、証券会社はここが踏ん張り所と大幅買い越しを続けるかもしれません。
証券会社の踏ん張りには日銀の応援が必要ですから、この局面でETFとREITの買入を積極化するのでは思われましたが、今の所日銀の買入姿勢に変化はありません。
仮にREIT市場がこのまま推移するとすれば、大幅買い越し主体の外国法人の離脱によって、相場は以前の巡航水準(1,650~1,700ポイント)に戻るかもしれません。
そうなればREIT市場で銘柄を選別して拾うチャンスが訪れますから、楽しみが増えると思います。
グローバル経済に暗雲が漂っているのに、投資はどうなのかという根本的な問題はありますが、投資マネーは、常に流れる先を模索しますから、そういうメカニズムの中で考えるとREITは消去法によって浮上してくる商品だとも言えます。
詳しくは6月に実施したセミナーで解説しましたので、これらを参考にして2018年後半の動きを見るようにお勧めいたします。


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