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2018. 6.22.Up Dated.
空き家問題と行政

 今回は、全国で増加している空き家の問題について考えてみます。
空き家は、地方だけでなく東京の23区内でも散見されていて、私が住む地域でも存在しています。
23区内の立地条件が比較的良い所でも空き家があるというのは、経済価値だけの問題ではなさそうです。
最近親戚関係(姻戚関係)の相続が発生したことで、手間の掛かる処理を頼まれました。
私は自分で不動産を扱うのは避けていて、サラリーマン時代から仕事以外では直接不動産にはタッチしませんでしたが、今回は義理の関係なのでそうは行かなくなり、ボランティアで引き受けることになりました。
やり始めると大変手間の掛かる仕事が次々と襲ってきました。 それでも何とか遺産分割協議は纏まる方向になりましたが、国が空き屋対策として制定した税制の特例措置が難物です。
空き家を整理するインセンティブとして、相続不動産を売却した際に相続人1人当り3,000万円の特別控除が得られる制度ですが、現実問題としてとても素人が手に負えるものではありません。
何しろ必要書類は相続人しか取れない物が多く、手続きの連鎖で色々な種類や証明書を要求されます。役所によっては無茶な書類まで要求される場合もあり、それに従わなければ証明書は出さないとまで脅されます。
弁護士等に頼めと言わんばかりの対応ですから、行政の横暴が癪に障りますが、大半の人はここで挫けると思います。
弁護士費用を楽に賄える位の換金価値があるならば兎も角も、それでも腹が立ちますから相続なんかに手を出さなければ良かったと思うのが、普通の人の感覚です。
政府は空き家対策と言って予算措置を講じていますが、もし施策を進めるのであれば、行政(地域行政)の不透明な手続きが最大の障害になっていますから、地方交付税から捻出すべきで、国民に負担を求めるのは筋違いです。
末端の地方行政に行く程、空き家対策への関心はなく、自らの仕事の領域を守る事を優先していますから、空き家問題の本丸は末端の行政機関にあるのです。
手続きを煩雑にして、数多くの書類と証明書を要求することで、相続に取り組む人の意欲を削いでいるのが実態なのです。
これでは不動産業者であっても法定手数料では割に合わないと言って手を出さないのは当然です。
末端行政の問題は政府としても手を付けにくく、又行政の長によっても実質的な手続きが異なります。
今回は文京区役所に行きましたが、中でも文京都税事務所は酷かったです。税収がなくなるので妨害しようとしているようにも見えましたが、概して都税事務所は印象が良くありません。
現在の小池知事では改善は期待出来ませんが、もう少しましな職員を雇用して欲しいと思うのは私だけでしょうか。
都政は長らく停滞していて淀んでいる部分が多いのですが、これを改革出来るのは中途半端な政党や政治家ではだめだと思いますので、次の都知事選では候補者を吟味しなくては思う今日この頃です。


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