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2018. 6. 1.Up Dated.
分配金利回りから見るREIT相場

 一般的にREIT相場を見る時は東証REIT指数を使いますが、この指数は投資口価格の動きを表していて、算出には時価総額の加重平均が掛けられています。
一方、市場での取引を見ると、時価総額の大きい、所謂大型株よりは値動きが大きい中小型株の取引の方が活発ですから、時価総額の加重平均を掛けると、補正されてしまうことになります。
従って、相場動向を見るには、時価総額の加重平均のない単純平均の方が相場の実態を表しているのではないかと言う議論が以前よりあります。
そこで、別の見方として、投資口価格ではなく、分配金利回りの動向から相場の実態を把握すると、以下のようなグラフになります。



このグラフは2016年1月~2018年5月間の分配金利回り(次期予想分配金/投資口価格)の推移を表していて、毎月月初・月中・月末の3営業日を抽出して、その日の単純平均利回りを、全上場銘柄、既存銘柄(日本ビルファンド~産業ファンドまでの30銘柄)、新興銘柄(ケネディクス・レジ~ザイマックスリートまでの28銘柄)の3つのグループに分けて表示しています。
グラフを見ると分かるように、分配金利回りは2016年から上昇していますから、基本的に投資口価格は下落している事になります。
2018年の動向は黄色で囲った部分ですが、これはどのように見えるでしょうか。
2018年は、前年に比べて分配金利回りは下落傾向(投資口価格は上昇)と見る方も居るでしょうが、私には踊り場のように思えます。
依然として反転上昇の勢いはなく、相場の落着点を探っている状態に見えますがどうでしょう。

REIT相場を形成している投資家の取引を見ると、一定方向に流れてはおらず、投資家によってそれぞれ異なった投資態様を示していますから、マクロ的に見てこういう流れだということは出来ないのです。
異なる投資家層の取引の合成結果で、相場が形成されているのが実態ですから、その背景を見ようとしても中々解明は出来ません。
従って、現象として相場を見るしかないですから、その相場の趨勢を何によって把握するかも重要です。
実際にREIT投資を行う方は、盲目的に東証REIT指数だけに頼るのは問題ですが、ここで掲載した分配金利回りデータのようなものは公表されていませんから、投資の前提になる相場の実態把握も簡単ではないのがREIT投資の実態だと言えると思います。

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