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2018. 4.27.Up Dated.
GW明けのREIT相場予測

 直近の米国10年債利回りが24日に3.0%に達したものの、また3.0%を割り込んでいますが、このような動きは過去何度も繰り返しています。
米国金利の実勢相場は3.0%という見方はあるものの、ドル買いの勢いは低下しない為に、3.0%前後でもみ合いになっているだと思います。
一方、日本のREIT相場を東証REIT指数で見ると、1,720ポイント台まで上昇していますが、これは米国金利の影響よりは、投資家別の取引によってこのようになっていると考えられます。
金融機関の取引が今年1月から3ヶ月連続でかなりの売り越しになっていましたので、年度が替わった4月は、売り越し幅が縮小したか、又は買い越しに転じている可能性があります。
この結果、REIT市場では証券会社(自己取引)、外国法人の買い越しに金融機関も加わったか、又は反目の動きが抑えられたことで相場が上昇したのだと考えられます。
但し、銘柄別に見ると、新興銘柄の価格はほとんど変わらず、既存銘柄を中心にした上昇になっていますから、やはり投資家はリスクに慎重になっていて、手堅く既存銘柄中心の買いになっていると言えます。
機関投資家から見れば、米国金利の上昇基調は確実ですから、キャピタルゲインよりはインカムゲイン重視で、価格の下落リスクを抑えた投資を行って様子を見ていると考えられます。
過去を見ても4月は上昇するケースが多いですが、問題はGW明けの5月からの動きです。
ここで調整が入って再び1,650ポイント前後まで戻るか、又は1,700ポイント台を維持するかが今年の上半期の相場の分岐点になります。
そして下半期の予想も5月~6月の動きで異なってきますから、GW明けの相場の推移が今年の鍵を握っているとも言えなくはありません。
また日銀のREIT買入も3月は84億円でしたが、4月は24億円に留まっていますから、5月は再び買入額を増やすかもしれませんが、仮に相場下落局面を支えようとすれば、現在の予算枠では足りません。
それでもGW明けに相場が下がれば日銀は形だけでも買入額を増やすかもしれませんので、それらも織り込んで相場動向を見る必要があります。


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