コラムトップ
2018. 2.16.Up Dated.
REIT相場の変動(その2)

 先週に続いて、2月の相場変動について、その後に分かった事を解説します。
1月の投資部門別売買動向が発表されたことで、1月の相場上昇の要因が判明しました。結果は、証券会社(自己取引)と外国法人の大量買い越しでした。
一方、金融機関・投資信託・国内個人の3者は大量売り越しで応えていて、これは1月のような相場上昇局面ではよくある反応です。
証券会社を除く国内投資家が大量売り越しになったにも拘わらず、これだけ上昇したのは証券会社と外国法人の買い越しの勢いが強かった為だと言えます。
外国法人は昨年12月は売り越しになっていますから、順番から見て1月は買い越すことが予想されていましたが、それに証券会社が2017年の単月の買い越し額を上回る規模の買い越しを行ったことで相場が大きく上昇したと考えられます。(因みに、外国法人の買い越し額は2016年4月以来の規模です)
この外国法人がNY市場の株式急落によって、一斉に売りに回り、プログラム取引の大量売りを誘発して相場が急落したのが2月第2週の実態だと言えます。
一口に外国法人と言っても、色々な種類のマネーが混在していますが、今回の相場急落局面では、投資主構成の外国法人保有比率とは特に相関度がないので、コア投資ではなく短期投資マネーの動きだと言えます。
2月第2週の急落局面と反発局面の売買動向を見ると、少しずつ市場での取引実態が見えてきますが、この詳しい解説はタイミング的に24日に大阪で開催する個人投資家セミナーで行う予定にしています。
相場が大きく動くと、慌てる投資家も居ると思いますが、その内容がある程度分かれば冷静に見ることが出来ます。
今回の相場変動は、REIT市場の取引構造を炙り出す形になりましたので、それらを知ることで2018年の投資に生かすことが出来ますので、却って良かったとも言えます。


Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved.