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2018. 1.12.Up Dated.
年始の東証REIT指数とCREロジスティクスファンド投資法人の上場

 2018年に入って、まだ5営業日ですがREIT指数が上昇しています。年始に相場が上昇する例は過去にもありましたので、ご祝儀的な相場とも言えなくはありませんが、日経平均も2.3万円台に上昇していますから、資金流入の可能性もあります。
昨年のセミナーでも解説しましたが、日本の投資市場へ海外資金が流入しているのかも知れません。
従って、上昇基調はもう少し続く可能性がありますが、REIT市場では相場が上昇すると個人投資家の売りが増えますから、株式市場のように一本調子の上昇はなさそうです。
また特段の材料がない状態での上昇なので短期筋の資金が流入しているとも考えられますから、逃げ足も速いかも知れませんので、今年もREIT市場の動きは複雑な予感がします。
尤も、年初から相場が下がるのと比べれば、一時的にしろ上昇するのは悪くはありませんから、新たな材料が出ない限りは、昨年の相場予想が今年も通じるのではないかと考えています。
地政学的リスクも平昌冬季オリンピックが終わる2月末では平静状態を保ちそうですから、少なくとも2月半ば位までは今の相場観が続くと考えて良いかも知れません。

また新たな投資法人の上場が昨年末に承認されましたので、これについて簡単に触れたいと思います。
CREロジスティクスファンド投資法人が2月7日に上場予定です。
組成資産の内容は昨年9月に上場した三菱地所物流リート投資法人と近似になっていて、組成資産のNOI利回りも鑑定ベースで5.0%/年(三菱地所物流リート投資法人は4.9%/年)になっています。
物流倉庫を投資対象とした投資法人は後発組が明らかに不利ですから、投資家を惹きつける何らかの要素が必要になります。
三井不動産ロジスティクスパークや三菱地所物流リートは、スポンサーのネームバリューとREIT市場での実績が評価されてIPOは成功しましたが、それに比べるとCREロジスティクスファンド投資法人は、特に評価ポイントの無い投資法人だと言えます。
物流倉庫を投資対象とした投資法人は既に6銘柄が上場していますから、投資家のポートフォリオの為に、これ以上は必要がないという見方も出来ます。
こうなると、単に新規上場の価格上昇狙いの投資になりますが、恐らくこの内容ではそれも難しいかもしれません。
今のREIT相場の動向では、敢えて新規上場を狙うよりは、実績のある既存銘柄の方が面白いですから、少なくとも個人投資家はパスした方が賢明だと言えると思います。

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