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2017.10.27.Up Dated. |
REITの商品特性 |
REITは配当期待型投資商品と定義されていますが、過去のREIT市場の動向を見ていると必ずしも配当期待型投資商品としての性格を備えておらず、株式と同じような価格変動型投資商品としての動きをしている時期もありました。 本来、配当期待型投資商品としては、
「配当利回り」 現在の相場だとREIT59銘柄の単純平均利回りは4.7%前後/年になっていますので、低金利の今日としては十分な利回りが得られる投資商品になっています。 更に銘柄を分解してみると、 既存銘柄(日本ビルファンド~産業ファンドまでの30銘柄)・・・・・・4.3%前後/年 新興銘柄(ケネディクス・レジ~三菱地所物流リートまでの29銘柄)・・5.1%前後/年 ですから、上場59銘柄の中から複数銘柄を選べば5.0%/年程度の利回りを確保することも可能です。 「価格変動」 東証REIT指数の変動率(標準偏差)を過去6年で集計すると16.85%/年になりますが、同期間の日経平均株価が21.47%/年ですから、株式に比べれば価格変動率が小さいことが分かります。 因みに、単一指標である10年物国債利回りの変動率は日銀の介入によって350.33%/ 年と非常に高い変動率を示すようになっています。 これらのデータを見ると分かるように、REIT・株式・国債をミックスした投資信託は、当然ながらREITの変動率より高くなりますから、配当利回りは5.0%/年以上でないと勘定が合わないとも言えます。 従って、REIT単独で投資をした方が利回り・価格変動率とも有利なのですが、実際の投資行動に移るのには壁があります。 価格変動率は銘柄によって異なっていて一律ではなく、7.4~23.0%(2017年の変動率)の間に分布していて、更に配当利回りは変動率の低い銘柄が低くなっていますから バランス良く銘柄を選別しなくてはなりません。 REITを理解していない方はここで立ち止まって先に進めなくなると思います。 勿論壁を突破できれば相対的に高いリターンと元本価格の相対的安定性が得られるのですが、そこに至るには自助努力だけでは限界があります。 この辺の事情が、REITはマニアックな投資商品と言われる所以だと思いますが、しかもREIT投資のガイダンス情報は少なく、百鬼夜行の証券会社は信用できないという実態が、よりハードルを高くしていると思います。 |
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