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2017. 9. 1.Up Dated.
防災の日に考える

 今日9月1日は関東大震災が起こった日で、それを忘れない為かも知れませんが、1960年に防災の日に制定されました。関東大震災は1923年でしたから、37年後に防災の日に制定されたことになります。
現在存命の方で、関東大震災の被害体験記憶を持っている方は100歳以上になりますから、かなり少なくなっていると思いますが、親から体験談を聞いている人は多いのではないかと思います。
私も母から関東大震災の話は聞いていました。当時は麹町に住んでおり、一時は母親と子で死を覚悟したと言っていましたが、幸い近所の方が駆け付けてきてくれて避難出来たとのことです。
私自身は、防災の日と言うとサラリーマン時代の特別訓練を思い出します。 最初の頃は、避難訓練と乾パン支給程度の訓練、そしてヘルメットなどの防災グッズの支給になり、その後は9月1日は一番電車で出社して、1日中訓練に参加することになりました。1日中訓練に参加するのは苦痛で、更に役職に従っての軍隊のような組織を作っての訓練でしたから、本番になったら役立たないと感じました。
非常時に適切な指示を出すのは難しく、肩書は何の意味もないと思いましたが、考えてみれば他に支持命令系統を作る方法がないとも言えます。
私は、親から関東大震災と戦争中の空襲の話を聞いていましたが、こういう非常時は適切な判断か否かが生死を分けたようですから、日頃から情報判別能力を磨いておくしかなさそうです。

一方、今日では首都直下型地震の発生リスクは高まっているようですが、建物の耐震化は飛躍的に進歩していますから、建物倒壊リスクは小さくなり、防火構造の建物も多くなっていますから、関東大震災時の被服廠のような惨事は起きないだろうと思いますが、実際にはどのような被害が出るのかは分かりません。
そして、戦争被害の現実味は余りありませんが、北朝鮮のミサイル問題がありますから、 かつて親から聞いた地震と空襲は遠い昔の話とは言い切れません。
REITの保有建物は原則として新耐震基準を満たしていますから、倒壊可能性はないと考えられますから、被害は一時的だと考えられます。
但し、これは国内の見方であり、海外から見れば、想定される被害とその対策の説明が必要だと思いますので、危機対応を解説した英文パンフレットなどの作成も検討すべきだと考えられます。
万一ミサイルが飛来した場合は、直撃しないことを祈るしかありません。 紛争時は保険が適用されませんから、建物が破壊されれば投資家の損失になりますし、当然収益低下とそれによる投資口価格下落を招きます。
当たり前の事ですが、投資商品は平和時にこそメリットが得られるもので、紛争に巻き込まれれば価値が大きく毀損します。 地震は避けられませんが、紛争は回避できますので、こちらは人智を尽くして抑制して欲しいと思います。


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