コラムトップ
2017. 2.17.Up Dated.
REIT投資のパフォーマンス

 今やREITは配当型投資商品の代表選手のようになっていて、機関投資家、投資信託、個人投資家にとって欠かせない存在になっているとも言えます。
上場58銘柄の単純平均利回りは4.0%/年に達していまし、それぞれ決算期がずれていますから、6銘柄を組み合わせれば毎月分配金が得られます。
REITの最大投資主である金融機関にとっても、確実に毎月分配金収入が得られ、年度の収入もほぼ確定値で計算可能で、しかも業務純益として計上できますから、これ以上の投資商品は見当たらないとも言えます。
毎月分配型の投資信託にとっても、配当金の確保の為にはREITの組み入れは必須です。
更に個人投資家の視点で見ると、安定的に毎月収入が得られるのはREITしかないのが現状です。
例えば、年金生活を送っているシニア層にとって、5.0%程度の分配金利回りになっている銘柄を選んで6銘柄組み合わせれば、1,000万円の投資で年間50万円の配当収入(税引き後は40万円)が得られますから、毎月の小遣いになります。そして投資元本はそのまま手つかずの状態になっていますから、上手なREIT投資が出来れば長期で安定した配当型投資になります。

REITの次期予想分配金はほぼ確定値になっていますから、配当利回りは容易に計算できますので、残る問題は元本に該当する投資口価格の動きになります。
結論から言うと、投資口価格は余り変動せずに、必要な時に元本が回収できることがベストですから、REIT相場の変動は小さい方が望ましいのです。
元本については業務純益に算入している金融機関にとっても同じで、決算時期近くになって元本の含み損が生じてしまうと、分配金を相殺したり、トータルでマイナスになってしまう事もありますから、同様に相場は安定している方が望ましいのです。
この事は、REIT投資を行っている投資家は理解していますが、政策当局やマスコミは分からず、投資口価格が上昇することを良しとしています。 この見方は証券会社の視点だと言えますので、相場の考え方を証券会社に委ねるとこのような逆の見方をしてしまいます。
新たな配当型長期保有商品としてREITの制度が作られた時に溯っても、投資家が10年も保有する投資商品では証券会社は全く儲からないという意見があり、従来の投資商品とは異なる見方が必要だという認識がありました。
この見方が一貫して続けば、前述の相場の安定性は誰でも理解出来ましたが、誕生後の紆余曲折によって次第に忘れ去られ、今では自分のリスクで投資している投資家だけが理解している状態です。
他人のリスクにヘッジしている投資信託は必ずしもこのような視点は持っていませんし、囃し立てるだけのマスコミも無責任に煽りますから、REIT投資は先ずノイズとなる情報をフィルタリングすることから始めなくてはならないと言えます。

Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved.