◇コラムトップ |
2017. 2.10.Up Dated. |
ポピュリズムについて |
ポピュリズムとは否定的な意味では大衆迎合主義と訳される場合が多いですが、この風潮は欧米先進国で増大しているようです。米国の知人(都会ではなく田舎に在住)の話を聞いていると、トランプ政権は長くはもたないだろうという見通しですが、取り立てて危機感がある訳ではなく、政治の素人が大統領になった点も容認しています。まさに米国の現状はポピュリズムによってトランプ政権が誕生したと言えますが、それが直ちに米国の不利益に直結しなければ、暫くは静観しようというのが本音のように思えます。 このような風潮は、英国でも仏や独でも台頭しているようですから、その根底に流れているのは何かが問題となります。 翻って見ると、日本の現状はどうでしょうか。小池都知事の誕生はポピュリズムではなさそうですが、維新の会の橋下徹氏はポピュリズムと言えなくはありませんが、既に政界からは引退しているので、ポピュリズムが台頭しているとは言える状況ではなさそうです。 同じ先進国でも、欧米と日本では様相が異なっていますので、これを単なるタイムラグと見るか、日本と欧米の本質的な違いなのかという考察が必要です。 私の見る所では、順応性の相違だと考えています。日本人(アジア共通とも言える)の特性として順応性の高さが挙げられ、先ず環境に適応していくことを優先する気質が高いことではないかと考えています。一方の欧米は、環境そのものに問題があると捉える傾向が強く、それがポピュリズムを生む土壌になっているのではないかと考えています。 世界経済を見れば、欧米が富の独占をする時代は終わっていて、新興国の台頭によって世界規模での富の分配構造が変化していますから、それによるストレスは先進国では大きくなります。 頓挫はしましたが、TPPでは日本も変わる必要がありましたが、それを容認する風潮が強かったのも順応性だったのかも知れません。 逆に、米国がTPPから離脱したのは、順応力に不安があった為だとも考えられます。 世界規模での富の再分配構造が変化していますから、それに適応出来ないとヒステリーが起き、ポピュリズムに繋がっていくのではないかと考えています。 |
Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved. |