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2017. 1.27.Up Dated.
トランプ相場

 トランプ政権の誕生を受けて、NYの株式市場でダウ平均が史上初の2万ドルを突破したようです。
史上初という高値は一見すると景気が良い話に聞こえますが、見方を変えるとこれがピークで長期低迷に入る門を潜ったとも考えられます。超新星の爆発のように、最後の瞬間が最も明るいという現象と同じとも思えますが、洋の東西を問わず株式市場は百鬼夜行なのかもしれません。
仮にトランプ氏のような人物が新しい社長になった例で考えると、その会社の業績は伸びるでしょうか、また社員はやる気が起こるでしょうか。
それを考えると、株式市場の反応はいささか狂気じみているとも言えると思いますが、どうせ低迷するなら最後は華々しくというヤケなのかもしれません。
トランプ氏の人物像はシンプルなので、誰でも第一印象で測り易いという分かり易さはありますが、この人を見ると20代の頃を思い出します。
デベロッパーに就職して2年後位に、情報提供をしてくれる不動産屋と会う機会が増えましたが、当時の不動産屋の中には典型的な人物が目立ちました。外国製金時計を付け、指には判子にもなる蒲鉾型の指輪、そして金歯を光らせ、アメ車を保有し、2号さんに小料理屋をやらしている。
こんな不動産屋が沢山居ましたが、私はただのサラリーマンですからその不動産屋を驚きの眼で見ていました。本心では下品だなと思っていましたが、その言動と行動は面白く、つい笑ってしまう程でした。
トランプ氏からは丁度こんな感じの印象を受けますが、金が好きというのはかつての日本の不動産屋と共通しているようです。 一応大統領就任後の支持率は45%とこちらも新大統領としては史上最低らしいですが、 45%もの支持があるのも驚きです。
卑近な例で申し訳ありませんが、前述の不動産屋のオッサンが、仮に都知事に立候補をして当選するでしょうか。
こう考えるとある程度は分かっていたはずの米国が遠のいて、文化と国民性の違いを感じざるを得ません。
恐らく私と同じような感想を持つ人も多いと思いますが、世の中は多様性ですから、別の見方があっても不思議ではありませんが、一国の指導者となれば不都合ばかりが目立つ人では困ります。
とは言ってももう止められませんから、若い時のように笑うしかないのがこれからの現実なのかもしれません。

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