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2016.12.16.Up Dated.
REIT投資のメリットと問題点

 今更ながらの感がありますが、改めてREIT投資について考えてみたいと思います。
REITの特徴は配当型投資商品という事ですが、直近の投資口価格で見ると、全銘柄平均の予想分配利回りは4.14%/口/年になります。
仮に退職金等を1千万円REITに注ぎ込んだとすると、年間の税込分配金は414,000円になり、銘柄分散によってほぼ毎月34,500円の分配金を手にします。
この金額は月の小遣い程度になりますから、年金生活者にとってはありがたいとのではと思います。
但し、元本の1千万円が相場下落によって目減りしてしまえば、含み損の方が大きくなりますから、これは避けたい所です。

そこで、REIT投資は如何にして元本の毀損を防いで、なるべく高い分配金利回りを得るかに掛かります。
以前であればREIT投資はIPO投資が有利だと言われていて、新規上場時のIPOで投資口を購入すれば比較的高い利回りが得られるのが分かっていました。
所が、ここ2年位の新規上場のIPOでの購入は、元本棄損が発生していますから、必ずしも有利な投資にはなっていません。
一方、IPO投資を2012年から始めている人は、全銘柄をIPOで購入できた場合、含み益150%弱になっていますから、かなり良いパフォーマンスなのですが、個人投資家はそう上手くは行きません。
機関投資家であればIPOで投資口を購入することは出来ますが、個人となると証券会社から不人気銘柄だけを買わされる方が多いので、結果としてパフォーマンスは悪化します。特に2015年・2016年の上場銘柄は不人気銘柄が多かったので、これらのIPOだけで購入していると、確実に含み損を抱えます。
このような例を見ても分かるように、REIT投資は大量の資金を動かす機関投資家には有利なのですが、個人投資家はそうはいきません。個人投資家は自らで情報収集して銘柄選別を行わないと有利な投資にはならないのがREIT投資のハードルです。

では、銘柄選別はどうするのかが肝になりますが、これは簡単に〇×では決まりません。
新規上場時の選別眼だけでなく、上場済みの銘柄も選別しなくてはなりませんから、こうなると上場57銘柄の全てを見極めてから投資を行うというのは、個人にとってハードルが高過ぎます。
然しながら、このハードルを越えられると、REIT投資では年6%程度の分配金利回りと1.6倍の元本も得られますから、挑戦するだけの価値があるとも言えるのです。

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