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2016.12. 2.Up Dated.
メイドインジャパン

 インターネットの発達が意外な展開を見せたのは消費分野で大きいように思えます。
私はISDNの時代からインターネットを利用していますが、平成10年頃に旅行した時の宿をインターネットで予約しました。宿に着いたらインターネット予約を始めた若主人が出迎えてくれましたが、周囲の反対を押し切ってHPを作ったそうで、将来旅館はインターネット予約が主流になると考えてとのことで、私も客として同感だと話しましたらこの若主人は喜んでいました。
その後ネットショッピングの勃興により趣味のオーディオパーツを探し始めました。これも従来は秋葉原で探すしかなかったのですが、ネットショッピングによって地方の倉庫で保管したままの状態で販売出来ることにより価格も安くなるという効果が生じました。
他にも音楽CDは海外では再販価格の制限がないため、国内の半額程度の価格で買えますから、これらも結果としてデフレ効果を促進しました。
このようにネットショッピングは従来の生産・流通・販売という組織を飛び越えてしまいましたが、最近では次の段階へ移行しているように思えます。
それは価格破壊から品質重視への転換です。
消費者は安さだけでは満足せず、品質と心地よさを求めた消費にも向き始めたことで、色々な商品分野でメイドインジャパンが注目されています。
例えば、メガネフレームは従来から高級品は日本で作られていましたが、福井のあるメーカーが自社ブランドを立ち上げて、日本人に合ったフレームを作っています。
衣服関係でも、肌着や靴下で国内生産を売りにしている製品が増えています。先日靴下を買いましたが、品質と履き心地とも英国製の最高級靴下とそん色はなく、価格も半分位ですから、十分に競争力がありそうです。
勿論、中国製の3足1,000円の価格に比べれば遥かに高いですから、価格勝負の普及品分野では分が悪いですが、高級品の分野では欧州製に比べると十分な競争力を有しているように思えます。
電子パーツ等は、既に品質で日本製が圧倒していますが、これを使って組み立てる二次製品では日本勢は不利になっていますが、それは大量生産大量消費の製品に偏っている為です。
大企業が大きな利益を生む構造は、欧米で見られるような社会的格差を促進し、結果として社会の安定性を欠きますから、日本は技術力と品質を生かした別の形の生産・流通・販売構造を作り上げる必要があると思います。
若い人たちが従来の考え方に囚われずに日本の特徴を生かした仕組み作りに向かえば、今まで主流でなかった企業形態だったり、企業構造にたどり着くのではないかと思いますので、これからに期待がもてるのではないとか考えています。


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