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2016. 9.23.Up Dated. | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
IPOの動向 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
過去2年のIPOについて調べてみると、2016年の新規上場環境の厳しさが浮き彫りになります。(下表参照)
IPO時の公募価格と原初価格(投資法人設立時の1口当たりの出資価格)を比較して、プレミアムなのかディスカウントなのかによってIPOの成績が分かります。 2016年は既に6銘柄の新規上場がありましたが、プレミアムIPOになったのは三井不動産ロジスティクスパーク投資法人だけで、±0が2件、ディスカウントが2件です。 過去を見ると、概してIPOの公募価格決定は、その時点のREIT相場に左右される傾向があって、東証REIT指数が高く、更に上昇傾向にあるときは好調なIPOになる可能性が高くなります。 所が、2016年のIPOは東証REIT指数の水準は高いにも拘わらず、プレミアムIPOになるケースが1件しかありません。 この結果では、運用側も引受証券会社も見込みが違ったと言えますが、この背景にはREIT相場の見方を見誤ったことと、REITという仕組みの理解不足があります。 上場に際しては第一義的には引受主幹事証券会社が審査を行うようですが、引受手数料目当てで、内容の吟味は疎かのようです。上場しても、その後順調に資産運用できるのか、成長戦略は確立しているのか等上場投資商品としての質をチェックしなければなりませんが、REITの過去の歴史を見ても、REIT相場の好調時には、証券会社がREIT進出を薦める営業攻勢を掛けて、粗製乱造に走ります。 上場してしまえば、後は投資家の自己責任と割り切っての事でしょうが、流石に機関投資家にも見抜かれていて、ブックビルディングでの感触も良くはありません。 そして機関投資家の引受が弱いと見れば、今度は個人投資家向けに積極営業を行って捌きますから、結果としてIPO不調銘柄の投資主には個人投資家の比率が高くなります。 政府・日銀もこういう実情を放置して、金融政策で投資市場にお金をばら撒くことで景気対策と称していますから、同じ穴のムジナだとも言えます。 投資市場というものをもう少し真面目に真剣に考えれば、やるべきことは他にありますが そこまでは頭が回らないのか、又は即効性がないので先送りしているかです。 日銀も金融政策の見直しに動いているようですが、本質的な部分に触れないでお金の量のコントロールだけで経済を動かす古典経済学に縛られたままでは、心もとない限りだと言えると思います。 |
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