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2016. 7. 8.Up Dated.
社会のダイナミズム
 
 参議院選挙の投票日が近づいていますが、事前予想では大きな変革は起こりそうもありません。
安倍首相はアベノミクスに続いて一億総活躍社会を謳っています。人々が活躍するにはそのエネルギー源が必要ですが、果たして今の社会にエネルギー源となるダイナミズムが溢れているのでしょうか。
例えば、安倍首相は二世議員で副総理の麻生氏も同類ですが、政治家が世襲のような状態で、社会のダイナミズムに期待するというのも勝手な理屈だと言えます。
社会を変えたいならば、先ず「隗より始めよ」で政治の世界から変える必要があります。
現在のように親の選挙地盤を引き継いで議員になる人材ではなく、政治家は社会から発掘してくるようなシステムが必要です。発掘委員会等のような組織を作り、これはと思う人材をスカウトして、政治の中枢を担うように育成していくようなシステムが欲しいものです。
既に企業社会では、社長の選任の為の委員会があったり、外部からスカウトするのが一般的になりつつありますが、政治だけは旧態依然で、世襲議員が自分の事は棚に上げて社会へ要求ばかりしています。
このような流れは日本だけではないようで、米国も既存政治家の反発からトランプ氏が次期大統領候補まで上り詰めましたが、政治自体がダイナミズムを失うと、このようなポピュリズムが台頭します。
政治の場合は、他の分野とは異なり、個々の当面のプラスマイナスよりも戦略的視点の方が重視されます。仮に安倍首相が多少は他の議員より有能だったとしても、戦略的視点からは首相としない方のメリットを考慮しなければなりません。
こういう視点で考えられて実行できなければ政治家の資質として疑問符が付きますが、そのような論調は余り耳にしません。
また参議院もですが、参議院議員は余り党利に縛られずに、もっと自由な立場で発言する人材が求められます。 所属政党の公約ばかり口にする候補者でなく、自分の考え方を前面に出すぐらいの器量が必要ですし、政党もそれを容認するぐらいの度量を持たないと参議院の存在理由も薄れます。
今の社会は若い人に漠然とした閉塞感を与えていますから、景気が回復するようなダイナミズムは存在しませんので、本気で一億総活躍社会を目指すなら、先ず自らを切っていかなければならないのが政治の理屈になりますが、そこまで真剣には取り組んでいませんというのが本音なのかも知れません。

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