コラムトップ
2016. 2.12.Up Dated.
REIT相場のボラティリティ

 わずか一週間で日銀の金融政策の効果が無くなり、投資市場はセンシティブな動きになりました。 REITもかなりの振幅で動いており、数値で見ると以下のようになります。

期間 REIT指数変動率 日経平均変動率
2015年10月 1.01% 2.22%
2015年11月 1.10% 1.80%
2015年12月 0.99% 2.19%
2016/1/4~2016/2/10 4.14% 3.90%

上の表は、東証REIT指数と日経平均株価の日次の推移の変動率を表したものです。
REITの期間変動率を見ると、1/4~2/10の変動率は過去3ヶ月の月間変動率に比べて4倍近く大きくなっています。 日経平均と比べると、昨年はREITの変動率の方が小さくなっていますが、今年に入ると日経平均の変動率をも上回る状態です。

この原因は、日銀の金融政策によるものだと考えられます。
10年物国債利回りが2/10には0.005%まで下がっていますから、一旦はこれに連動してREITの投資口価格が上昇したものの、株式市場の軟調を受けて直ぐに修正されたことで、結果として変動率が高くなったと言えます。
一体どうなっているのかと思う方もいらっしゃると思いますが、このような動きについては昨年12月のセミナーで解説しておりますので、セミナーにご参加頂いた方は改めてテキストを読み返してみて下さい。
また為替が円高傾向に振れていることも外国法人の投資熱を冷やしますので、このまま推移するとREITの変動率は高止まりしますし、円高傾向が止まらないとREIT市場で外国法人の売越し基調が続きますから、東証REIT指数の下押し圧力になります。
従って、この1~3月はREITの相場は大きく動きそうなので、その前提でREITを見ておく必要があります。
REIT投資としての買い場は第2四半期以降になりますから、第1四半期は原則として様子見が賢明だと思います。

Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved.