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2016. 1.22.Up Dated. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ラサールロジポート投資法人の上場 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
物流倉庫を投資対象としたREITとしては4番目となる投資法人の上場予定が発表されました。 ラサールと言えば、かつてイーアセット投資法人を買収し、ラサールジャパン投資法人のスポンサー企業としてREITに参入しましたが、その後ラサールジャパン投資法人は僅かな期間で日本リテールファンドに吸収合併されたという経歴を持つ企業です。 イーアセット投資法人買収後に、ラサールグループが保有する商業施設を高値で投資法人へ売却し、それが原因の一つにもなってラサールジャパン投資法人は運用困難に陥り、結局は身売りせざるを得なくなりましたが、スポンサーであったラサールは大した被害もなく、したたかに不動産売却益を得たという経緯があります。 私から見ると、ラサールはREITが好調の時に顔を出して一稼ぎするのが得意のようなイメージがありますが、今回はどうでしょうか。 ラサールロジポート投資法人の上場時保有資産は、物流倉庫8物件で取得予定総額は1,614億円となっています。取得予定資産のNOI利回りは鑑定評価ベースで平均4.9%と発表されています。 因みに、上場している物流倉庫系投資法人のポートフォリオNOI利回り(取得価格比)は以下のようになっています。
物流倉庫のみ保有しているのは、日本ロジスティクス、GLP、日本プロロジスの3銘柄ですが、この3銘柄中、大型高機能倉庫中心の日本プロロジスでも5.53%/年の利回りは確保されています。 一方、ラサールロジポート投資法人は4.9%/年ですから、何処からこの数値を引っ張ってきたのでしょうか。 ポートフォリオは東京圏の物流倉庫にはなっていますが、物流倉庫に資産価値はあまり関係ありませんから、これだけ低い数値の利回りで取得するとなると、何となくかつてのラサールジャパン投資法人の経緯が思い出されます。 ラサールは、REIT市場が好調な時に稼いで、市場が悪化したら何処かに吸収合併されれば良いと、ドライに割り切ったビジネスモデルが得意のように思えます。 投資法人が吸収合併されるときは、エクイティが棄損しますが、それは投資家の負担になりますから、スポンサー企業への影響は大してありません。 これが上手なビジネスという事なのでしょうが、投資家はどのように考えるのでしょうか。 |
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