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2015. 5.15.Up Dated.
東証REIT指数の見通し

 

2015年の東証REIT指数の日次推移を見ると、このグラフのようになります。
1月に2,000ポイント近くまで上昇したものの、その後は下落し、1,800~1,900ポイントの間で推移しているのが分かります。
そこで気になるのは今後の動向ですが、年内も引き続き1,800~1,900のレンジでの動きのまま推移するとは考えられません。証券会社は再び2,000ポイント超えにチャレンジすると見ているようですが、これも特にREITとしての根拠はありませんから、願望という事だと思います。
現象だけで見れば、特別な要素(日銀の積極的REIT取得等)が無い限り、更に下のレンジ(1,700~1,800ポイント)を窺いながら、落着点を探るという動きが考えられます。
そしてこの際に留意することは、REIT市場の矛盾点を抽出し、それがどの程度修正されるかを考える事だと思われます。
ヒートアップしている市場では、矛盾も呑み込んだ動きになりますが、落ち着いてくれば解消に向かうのが普通です。
一方、証券会社は、市場の矛盾点が露呈しないままヒートアップする状態が好ましいと考えていますから、何とか再上昇して欲しいと考えているようです。
投資家からの預り資産が巨額になっている証券会社がこの程度では不安ですが、今の政権は提灯持ちを是とする雰囲気ですから、矛盾があろうが無かろうがヒートアップするという見通しは歓迎なのでしょう。
換言すれば、理由は何でもそして理屈に合わなくても投資市場の価格が上昇さえすれば良いと考えているようですから、困りものです。それは集団的自衛権の動きにも見られますが、取り敢えず法整備をして道筋だけを付けておくという考えのようです。
今の政権には、戦闘状態に入るという決断が出来るというセンスも器量もなさそうですから、環境整備だけが目的だと言えます。
但し、将来暴走するような政権が登場した場合には歯止めが利かなく恐れがありますから危険の種を植えたとも言えます。
尤も将来に亙って英邁な政治家を輩出すれば防げますが、現政権のレベルを見れば期待薄だと考えるのが普通だと思います。

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