コラムトップ
2015. 5. 8.Up Dated.
黄金週間の所感

 連休中に所用があり秋田まで出掛けたついでにREIT保有の物件も見て回りました。
秋田市の人口は33万人程度の都市ですので、市内の人通りは連休中でもそれ程でもありませんでしたが、宿泊したホテルは満室で朝食は並んで待つ程度の混雑でしたので、最近の観光ブームを実感しました。
但し、外国人客はおらず、大半が県内からの宿泊客のようでしたから、インバウンド需要はここまでは波及していないようです。
宿泊したホテルが市内でも人気のあるホテルだった事もあるでしょうが、国内需要が旺盛なのだと思いました。サラリーマン時代に利用したビジネスホテルと比べると、設備が充実していてベットもグレードアップしていますから、ビジネスユース以外も取り込める施設になっています。
勿論GWは例外的な混雑ですから普段は空いていると思われますが、今のビジネスホテルがインバウンド需要を取り込めれば通年稼働率を上昇させることが可能だなと実感しました。
秋田は東京から新幹線を使っても4時間位掛かる距離で、観光地としては不便な地域に該当しますが、県内の大曲では毎年夏に花火大会が開催され、多くの見物客を集めます。 私は何度か大曲花火大会にバスツアーで行きましたが、かなりの時間バスに乗っていなくはならず、遠いという印象でした。花火見物という目的があるのでそれでも我慢出来ますが、単なる観光であれば、やはり二の足を踏むだろうと思います。
それでも専ら買い物中心の国内観光需要という底固い需要があるので、県内と近隣県からの宿泊需要は期待出来るようですが、やはり地域を挙げての観光需要取り込みが欠かせません。東北はお祭りでの集客をメインにしていますが、普段も訪れてくれるような努力がないと観光需要は増えないと思います。
そう考えると、REITの宿泊施設セクターは最終的には地域の観光需要誘致策にまで関与する必要がありそうだと感じました。単に施設保有からソフトにまで広げる事によって施設稼働率を上昇させるという戦略的視点も必要ですが、未だREITのセクターとしては小さいのでそこまでの余裕はなさそうですが、何れはそういう視点を持って展開するレベルにならないと投資として妙味は大きくはならないだろうと感じました。

Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved.