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2015. 3.20.Up Dated.
資産運用会社のIRヒアリング

 投資法人の上場があると、私は順次訪問して面談するのが恒例です。
2012年から17銘柄が上場しましたので、久しぶりに新規上場銘柄の資産運用会社への訪問が再開し、大凡上場後3ヶ月後辺りに面談を申し込みます。そのうち13銘柄との面談が終了しました。
しかし過去を含めると上場51銘柄の中で面談していない銘柄もあります。
東京グロースリート投資法人(現・インヴィンシブル投資法人)は当初東証ではなく大証に上場した為に、ヒアリング対象から外しました(現在は東証上場)。
次にスターツプロシード投資法人も当初ジャスダック上場だったので除外しました(現在は東証上場)。当時も上場が相次いだことで、東証上場銘柄を対象にするという線引きをしていた為です。
私は原則として東証への新規上場銘柄は全て訪問する方針でしたが、例外的に除外した銘柄もあります。
その一つが、リプラス・レジデンシャル投資法人(現・日本賃貸住宅投資法人)で、ここは評価書の発表も見送りました。当時としても、到底REITとは言えない内容だったことがその理由です。担当証券会社からはせめて評価書は書いて貰えないかとの依頼がありましたが、書けばかなり悪い内容になると言ったら、それなら発表されない方が未だ良いのかも知れないと諦めました。
他には私の方から訪問しなかった銘柄はありませんが、2001年のREIT創設以来、唯一先方から面談をキャンセルしてきた銘柄が一つあります。
それは野村不動産マスターファンド投資法人です。 面談申し入れをしたのですが、IR担当からは何の連絡もなく、結局訪問せずに終わりました。
資産運用会社は野村不動産投信ですから、既に野村不動産オフィスファンド投資法人、野村不動産レジデンシャル投資法人の時に訪問していますので、無理を押して訪問することもないだろうとも思い見送りました。
勿論私の面談を断ることも自由ですし、会いたくないという気持ちも分からないではないですが、何か都合の悪い事でもあるのかとも思ってしまいます。以前、野村オフィスファンドの物件取得に際してスポンサーとの利益相反が疑われると強い口調でコメントを書いたことがありますので、資産運用会社にとっては嫌な人物になっているのかもしれません。
他にも資産運用会社との面談によって色々と感じる事もありますが、総じて2012年から上場した銘柄の資産運用会社は平均的なレベルに収斂しています。悪く言えば可もなく不可もなくで、以前のような面白味も薄くなりましたが、それだけREITが熟成してきたと言えるのかもしれません。

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