◇コラムトップ |
2015. 3. 6.Up Dated. |
2015年のPOとIPO |
今年に入って新規上場が2件、増資が9件発表されています。 因みに、昨年の実績は、IPOが6件、POが24銘柄28件になっているので、今年はIPOでは昨年並みは難しそうですが、POは既に昨年を上回る勢いです。 POについては、既存銘柄が2件で新興銘柄が7件と、2012年以降に上場した銘柄中心になっています。昨年1年間での新興銘柄の増資は8件でしたから、今年は今時点で同数近くの増資が行われます。 これだけ新興銘柄の増資が多くなっている理由は、投資口価格の水準が高い内にエクイティを集めようとしているのだと思われます。 概して新興銘柄の増資では、併せて取得する物件によって従前のポートフォリオNOI利回り下げるような外部成長になっていますから、増資価格を高く取らないとパフォーマンスの低下が顕著になってしまいます。 従って、東証REIT指数が悪くても1,800ポイント台後半にある時に増資を行うという意図が窺えます。 私の予想では、4月以降は若干の調整局面に入るとしていますが、仮にこの通りだとすれば1月〜3月が最後の増資タイミングになると考えている節があります。 それでは、このようなエクイティ政策は正解なのかですが、投資法人にとっては正解でも、投資家にとっては不都合かも知れません。 仮に、4月以降の調整局面で市場価格がPO価格以下に下がれば、増資に応じた投資家は高値掴みになってしまいます。僅か数ヶ月でキャピタルロスが生じるようなことになれば、投資家の為の仕組みと言われているREITの本質から外れます。また仮にそのような事例が起こると、当然市場の下押し圧力になりますから、REIT全体にとっても好ましくありません。 良識を持った資産運用会社であれば、投資家リスクを考えれば、もう少し市場の推移を見極めた上で判断するとなるはずですが、新興銘柄にはそういう見識は期待出来ないのかもしれません。 増資を扱う証券会社も、恐らく早いうちに増資を行うよう勧めていると思いますが、これは価格が高い方が手数料は増える為です。資産運用会社も、高い価格での増資の方が短期的には楽ですから、募集側の利害が一致するので、年初からこれだけの増資ラッシユになったのだと思われます。 |
Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved. |