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2014. 8.22.Up Dated. |
相場は作られている? |
東証REIT指数の日次推移をみていると、お盆の期間に上昇しています。 13日は1,609.91、翌日14日終値は1,627.64ポイントと1日で17.73ポイント上昇していますが、正にお盆の期間で市場も閑散としていた時期です。この期間に投資口価格が上昇する材料はありませんから、短期売買筋がお盆明け後を睨んで、相場を作ったとも言えます。 既にREIT指数は1,600ポイントを超えていて、今年は一度も調整局面が訪れない特異な年です。元々、長期投資の対象であるREITは日々売買される市場価格が余り参考にはなりませんが、現在の状況は配当型投資商品としての価格形成ではなく、株式と同じ短期売買益追求の投資商品としての性格が強くなっています。 従って、投資口価格は予想分配率よりも売り抜ける否かによって価格が動いています。 投資法人の実力や性格とは余り関係なく、売り抜ける上限価格を探りながらの展開になりつつありますが、これと同じ状況は2005年〜2006年前半にもありました。日本ビルファンド投資法人の投資口価格が200万円/口に達したのもこの時期で、正に売り抜ける価格まで上昇しました。 今目立っているのは星野リゾート・リート投資法人で、今年のスタートは65万円/口程度でしたが、既に瞬間的に100万円/口を超えていますが、流石に100万円超では売り抜けないという感覚での取引のようです。 資産規模334億円程度の投資法人の投資口価格が100万円/口というのはどう考えても 不合理ですが、短期売買筋にはそんな事は関係がありません。儲けられそうならば、何でもありですから、不条理な取引も厭いませんが、過去にはこのような取引によって躓いてしまった投資法人もいくつかあります。 短期売買筋は、REITの将来がどうなろうと関係がなく、儲けられそうな時は目一杯稼ぐだけですから、こういう取引に乗せられると痛い目を見るのは明らかですが、調子の良い時はどうしても脇が甘くなります。特に2012年以降の新規上場銘柄は過去の経験がありませんから、容易に市場の陥穽に嵌ります。 尤も、中には市場の矛盾を利用して高値の取得での外部成長を活発化する投資法人もありますから、本来のREIT投資家はこの時期はPOを含めて慎重な姿勢を堅持する必要があると言えます。 |
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