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2014. 6. 6.Up Dated. |
新規上場銘柄のNOI利回り |
昨日(6月5日)、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(証券コード;3298)が東証に上場し、初値は108,900円が付きました。IPOは103,000円でしたから、ご祝儀が若干付いた価格でスタートしましたが、上場時の組成資産はオフィスビル5物件で約786億円という規模ですから、特に注目に値する銘柄ではなさそうです。一応、オフィスビル特化型投資法人になっていますが、この時期に敢えて投資用途をオフィスビルに限定した理由が分かりません。 既にオフィスビル特化型の投資法人は5銘柄ありますので、新規上場では先発銘柄との差別化を必要としますし、アピールポイントも欲しい所ですが、現実は難しいはずです。 組成資産の内容から見ると、トップリート投資法人やジャパンエクセレント投資法人の立ち位置が目標となりそうです。ポートフォリオNOI利回りは平均で5.3%/年と発表されていますので、現時点では数値的に優位性がありますが、トップリート投資法人やジャパンエクセレント投資法人の上場時の数値には遥かに及びません。 REIT市場は長い眼で見ればかなり変動しますが、最近の上場銘柄は、直近の相場に準拠したポートフォリオ利回りを作ってきます。今のREIT市場は順調な状態ですから、求められる利回りもそれ程高くはありませんが、一旦軟調になると、上場時の組成資産でバッファーを持たない銘柄は、当然調整幅が大きくなります。長期の視点で見れば当たり前の事ですが、そのような見方ばかりでは関係者は面白くありませんから、色々と修飾します。 過去のREITの推移をみると、ポートフォリオ利回りの目標目線は5.5%/年になると思われますが、最近の上場銘柄は何れもそれよりは低い目線になっています。 REITでは資産劣化によるパフォーマンスの低下は避けられませんから、長期で見た場合どの水準の利回りを確保するのかは投資判断では重要です。過去の例を見ると、5.3%程度の目標では容易に5.0%を切ってしまいますから、投資家はそれを織り込んで見なくてはなりません。 このように考えると、最近の上場銘柄はパフォーマンス低下リスクの方が大きく、それをどう防御するのかという視点が余り感じられません。 本来配当重視の長期投資となるREITでは当たり前の事なのですが、これに対して明確な説明をする新規上場銘柄は稀ですので、結局は株式と同じく相場に左右されるだけの構造に甘んじる事になりそうです。 |
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