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2013.11.15.Up Dated.
NISAによる資金流入の影響
 
 NISAの口座開設数が、既に360万口座に達したようですので、この調子だと来年中は500万口座を突破するかもしれません。
これを資金量で見ると、100万円×500万=5兆円という計算になります。
NISAは来年からの新規投資に適用されますから、最大で毎年5兆円の投資資金が市場に流れ込む計算になります。但し、株式市場の時価総額は東証発表分で440兆円前後ですから、必ずしもその影響は大きくはありません。
一方、REITの時価総額は7兆円前後ですから、格段に大きな影響があります。勿論、NISAが全てREITに向く訳ではないので、取り敢えずその20%程度の流入から始まるとしても1兆円近くにはなります。(360万口座としても7,200億円)仮に5,000億円超から始まり、徐々に漸増しながら1兆円超に達すると考えると、REITにとっては今までにない大きなインパクトになります。これだけの資金量が新たに流れ込むと見込まれれば、当然外部成長を活発化させて増資を頻発することになります。
そして、流入資金の大半が投資信託経由となれば、各投資法人にとっては楽な展開になります。投資信託はインデックス投資か又はそれ準じた投資スタイルになりますから、各投資法人の特徴や外部成長の内容も厳しくは問われません。従って、悪く考えればスポンサー企業から高値で取得し、スポンサーに利益を提供することも可能と考えます。
これと似た状況は2006年頃にもあり、新たな資金が流れ込んできた事で、外部成長を活発化させ、投資法人の高値取得が相次ぎました。そして、この時の外部成長の失敗がその後の低迷の原因になりましたから、今回も同じことが起こらないとは言えません。特に、昨年から新規上場を行った新興銘柄には、かつての苦い経験の学習効果がありませんから、又、同じ轍を踏む可能性があります。
こう考えると、来年からはREITの利益相反をより厳しくチェックする必要がありそうです。 当局も来年からは監視を強めて、その兆候が現れ始めたら、直ちに動く必要があります。
特に、前述の新興銘柄が問題ですから、来年半ば位から、順次検査に入るような準備をしておいて欲しいと思います。

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