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2013. 8.23.Up Dated.
REIT投資口の売買動向
 
 東証が発表した投資部門別売買動向によると、7月の売買高は約1.1兆円と辛うじて1兆円を維持しています。
売買高が1兆円を超えたのは今年2月からですので、これで6ヶ月連続になりますが、そろそろ息切れの感があります。
尤も、1兆円を下回っても大幅に縮小する訳ではなく、昨年の月間平均売買高5,243億円よりは上の水準で推移すると予想されます。
東証REIT指数で見ても、6月中旬のように一時的に1,300ポイントを割り込むことはあっても、基本は1,300〜1,350ポイントの間での巡航状態になりそうです。
7月の取引動向を見ると、投資信託が大幅買越、個人が大幅売越という構図になっていて、他の投資家は小幅乃至中幅買越になっていますから、大崩れはしない取引動向になっています。
そして例年8月の商いは低調になる傾向がありますが、7月に無理をしていないので8月も大きな変化はないだろうと予想されるのと、9月以降も今の材料のままであれば小幅な変動を繰り返す巡航状態になりそうです。

来年からはNISAの影響が、どのように出るのか未だ読めませんが、少なくともマイナス方向にはなりませんから、年内に小幅の変動状態が続けばREIT投資にとってはチャンスになります。
特に、NISA投資家に向けて投資口分割を行っている銘柄で、分配金の安定度が高そうな銘柄(合併による負のれんを多額に保有している銘柄)の投資口価格動向は要チェックです。
市場の循環変動によって投資口価格が下がった時(予想分配率が上昇)が狙い目になりますから、9月・10月に起きそうな一時的な下落局面は投資チャンスだと言えるかもしれません。
投資口分割をしている合併銘柄の多くは、財務指標も改善してきていますから、中期的に見ても崩れる要素がありません。
こういう銘柄が特に理由のない循環変動で投資口価格が下がった時が投資妙味がありますから、それを見逃さないようにするのが年内のREIT投資のツボと言えると思いますので、読者の方はこの視点で動向を追うのが良いと思います。

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