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2013. 7. 5.Up Dated. |
NISAの活用法 |
来年からスタートするNISA(少額投資非課税制度)への関心が高まっています。 先日実施した投資家セミナーでも、既にREIT投資を行っている個人投資家も当然利用するという声がありました。 この制度は20歳以上の個人が使えるため、贈与税の基礎控除(110万円/年)を使えば、家族分の口座も開設できますから、一つの家庭で複数口座を開くことが出来ます。 こうなると、それぞれの口座で分散して有効なポートフォリオを組むことも可能になりますから、工夫すればNISAの恩恵をかなり得られる可能性もあります。 一家庭で複数口座を持っている場合を仮定すると、恐らくその一つはNISAに最も適したREIT投資をメインとするでしょうし、REIT投資に一定の知識を持っている人ならば、それぞれの口座にREITも組み入れて、5年間で10%程度/年の総合リターンを狙うかも知れません。 NISA利用で大事な点は、長期で投資口元本が余り目減りしない事です。 配当益があっても元本が減少してしまえば、投資利益がなくなってしまいますから、先ずは、元本の目減り幅が小さい投資商品を選ぶ必要があります。 「否、元本が増えれば良いではないか」と考える人も居ると思いますが、元本が上昇すれば減少する時もあるのが道理ですから、価格変動が小さい商品が良いのです。 また、長期投資になりますから、日々の価格変動を見るのではなく、長期での価格の動きを見てその傾向を踏まえて投資商品を選ぶ必要があります。 REIT投資で見れば、NISAの対象となるのは投資口分割を行った銘柄になりますから、仮に、1万円の元本変動分は約2年相当の分配金に該当しますので、10万円/口で購入した投資口が7.5万円/口に下がれば、殆ど利益が消失します。 従って、長期で見て、一時的には下がっても何れは確実に戻したり、又は、若干の上昇がある銘柄を選ぶ必要があります。 具体的にそれはどういう根拠で選別するのかが問題ですが、REITを長期でみた場合、「勝に不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」という格言が当てはまりますから、飽くまでも合理的な根拠で判断する必要があります。 REITの負けは、その商品特性から見て脆弱な要素が多い銘柄になりますから、REIT投資の原点から見る必要があります。 これを間違えて、株式投資の見方でREITを見てしまうと、長期では失敗する可能性が高くなりますから、REITの見方から勉強する必要があります。 但し、これは思う程簡単ではなく、無意識の内に株式の見方が入り込んでしまいますから、基礎から習得しておくべきです。 換言すれば、REIT投資の基礎編から始まって応用編までを習得してからが望ましいのです。 その意味では、一定の基準と統一した見方で、基礎編と応用編を解説してくれるようなテキストがあれば便利なのではと思っています。 これから年内に掛けて色々な指南書が出るかも知れませんが、それらを見る場合、REITと株式を混同していないか、統一した考え方が貫かれているかをチェックするのも大事ではないかと考えています。 |
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