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2013. 5. 3.Up Dated.
不動産特集の取材
 
 2013年になってから色々な経済誌が不動産を取り上げ始め、その一環としてREIT関連の取材が増えています。編集者も予め不動産関連の情報を集めてから取材に来ますが、不動産に関する取材源は限られている上に、ポジショントークが主流ですから、中にはこじつけや単なる憶測でしかない情報をベースにしているケースもあります。それでも威勢の良い内容でなければ読者を惹きつけないので、何とか辻褄の合いそうな意見や予測を欲しがります。
こういう場合、私に取材するのは適切でありませんが、REITとなると避けて通れませんので私のところにも取材申し込みがきます。
この際に、私が話す内容は、大半が予め取材した内容とは合致しないことが多いです。
その最たるものは実物不動産についてです。
不動産会社からはオフィス賃料は上昇に転じるという見通しを聞かされたり、不動産価格は値上がりしているという情報を得て、これからは不動産投資という方向に持っていきたいようですが、限られた情報をベースにしているので、論理の飛躍が見受けられます。
例えば、分譲マンション市場の状況を不動産全部に当てはめてみたり、株式市場に流入している海外資金が不動産市場にも流入するという見方もあります。
これらは、不動産事業者の願望に過ぎませんから、私は付き合う気持ちはありませんので、それぞれ具体的な例やデータによって客観的な見通しを述べます。
こうなると、予め予定した特集が組めなくなったりしますが、中には私の見通しをそのまま使って特集の方向を変えてしまう雑誌もあります。
元々、不動産がかつてのようにウナギ登りのように上昇する局面があるはずもなく、簡単に転売で儲けられる時代が来ることもありません。既に、製造業等は厳しい競争下で格段の努力を積み重ねなければ、利益が得られない状態になっていますが、相変わらず不動産に関しては安易に利益をもたらすという理屈に合わないおとぎ話が主流です。
普通の人が、特段の知識もなく専門データの入手や分析も行わず風潮に乗っかって不動産投資をして利益が得られるという考え方自体おかしいのです。そんな楽な投資があれば良いのでしょうが、こういう願望をベースしていたら競馬の予想屋となんら変わりません。繰り返しますが、普通の人が不動産投資で儲けられる時代は遠い過去の話ですので、くれぐれもそういう非論理的な情報に踊らされないようにご注意ください。

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