コラムトップ
2013. 3.29.Up Dated.
新年度の相場予想
 
 東証REIT指数が、3月27日に1,700ポイントを超えましたが、翌日と翌々日は調整されて1,640ポイントまで戻しました。
今までの推移であれば、再び1,700ポイントまで上昇する可能性もありますが、年度が変わる事で必ずしもそうはならないとも言えます。
市場で連続買越しを続けている金融機関は、前年度は業務純益に大きく寄与したでしょうが、新年度からもこの上昇が続かない限りは、REITの投資収益が赤字になる可能性も生じます。
従って、1,700ポイントを超えて更に上昇する可能性の検証が必要になりますが、アベノミクスによる風潮だけではバブルと同じになります。
もっと具体的な要因が必要になりますが、賃料相場の上昇は暫く期待出来ませんし、上場銘柄数の増加によるREIT市場の拡大も頭打ちの感があります。
一部ではヘルスケアREITの登場も噂されていますが、ヘルスケア施設だけでは1,000億円規模も集められませんから、多分竜頭蛇尾で終わるのではないかと予想されます。
又、REITのファンダメンタルは、昨年前半と今日では殆ど変化がありませんから、ここまで上昇した相場を何処に着地させるかが問題となります。
恐らく、新年度からは着地点の模索が始まるでしょうが、上昇の原因がアベノミクスにあることで、ソフトランディングも難しくなりそうです。又、その要素も、金融政策、日銀の緩和内容、為替動向とマクロ経済動向と欧米の動向などになりますので、かなり複雑です。
一言で言えば、誰も予想が付かないという状況ですから、手探りしかなさそうですが、私の予想では、小幅に上げたり下げたりを繰り返して様子見になるのではないかと考えています。
但し、こういう局面で主要投資家の誰かが突出した動きを起して相場をリードする可能性もありますが、それは長続きしないでしょうから、安易には乗れません。
こう考えると、4月からの相場の読みは一層難しくはなりますが、ある程度の調整が行われ落ち着いてくれば、本来のREIT投資姿勢が通用するようになりますから、今夏前がREIT投資の再点検の時期になりそうです。

Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved.