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2013. 3.15.Up Dated.
増資ラッシュ
 
今年に入って未だ3ヶ月も経っていないのにも拘わらず、既に増資が11件行われています。増資を行う既存銘柄の数は33銘柄ですから、正に3分の1の投資法人がこの2ヶ月間で増資を発表しました。
勿論、これで増資が打ち止めということはないでしょうから、未だ増えると思いますが、今の上げ相場が何時まで続くかという読みが重要です。
増資を実施した銘柄の中には、3月まで今の勢いが続きそうだと予想しつつもなるべく早い内に増資でエクイティを調達しておこうと、急いで増資を行った投資法人もありそうです。
但し、増資の際には物件取得も絡めなくては事後の分配金が減少してしまうので、物件取得の見込みが立たないと増資に踏み切れませんから、大半はスポンサーからの取得になっています。不動産市場で物色していてはこのタイミングには間に合いませんから、スピード第一という考え方が主流のようです。
それでも、スポンサーとの協議が整わずに、増資が実施出来ていないのではと思われる銘柄もありますから、これらの銘柄が遅れた事でどうなるのかも興味が湧きます。
上手く行けば、より高い増資価格が見込めるかも知れませんが、逆に時期を失することになるのかも知れません。
恐らく、欲張って時期を遅らせている投資法人はないと思いますが、スポンサーとの協議中の投資法人はヤキモキしていると思います。折角協議が整っても増資が出来なくなってしまえば意味がありませんが、無理してスポンサーが喜ぶような価格で取得してしまえば、ポートフォリオNOI利回りが軒並み下がっている中での高値取得は、正に脱落の危機も招きますから難しい所です。
かつてであれば、そんな事はお構いなしに動いた投資法人も居ましたが、これらの銘柄は、結局は合併によって消滅の憂き目にあっています。
その学習効果もあってか、今の所、高値取得は見当たりませんのが救いです。
REITのように長期戦略で臨まなくてはならない主体が、一時の相場に踊らされてしまえば、自らを傷つけてしまいますから、この辺りの所を分かっているか否かは天と地ほど差が付きます。 その意味でも、これから増資を行う予定の投資法人は正気を保って欲しいと願っています。

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