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2012.11.16.Up Dated.
GLP投資法人の上場
 
 シンガポール政府公社系のREITであるGLP投資法人の上場予定が発表されました。 上場予定日は12月21日、IPOは新規投資口発行で調達予定額は約1,100億円になります。(内、国内募集は715億円、海外募集が385億円)
保有資産は物流施設30棟で予定資産総額は208,731百万円(取得予定価格)となっています。
この投資法人は上場前に投資口を8分割しており、小口化したのは、やはり個人投資家を惹きつけたいという思惑でしょうが、果たしてその目論見が功を奏するかは何とも言えません。
特に、IPOでは、本来の長期保有スタンスの個人投資家は直ぐには動かないかも知れませんから、上場後のアピールによって徐々に浸透を図るという考え方も必要です。
また、上場時の資産は全てスポンサーであるGLP(グローバル・ロジスティック・プロパティーズ・リミテッド)からの譲受ですから、利益相反についてのチェックも必要ですので、投資家は慎重な判断になるかもしれません。
目論見書には取得予定資産の過去1年間のトラックレコードを掲載していますから、そのデータから保有資産のポートフォリオNOI利回りは約6%程度だと考えられます。
日本ロジスティクスファンド投資法人の直近決算でのポートフォリオNOI利回り(取得価格比)は6.23%、前期が6.40%となっていますので、これよりは低くなるのではと推測されます。
なお、スポンサーであるGLPが発行投資口の15%を保有するとのことで、投資法人とスポンサーの利害を一致させるという方策も採るようですし、またGLPは中国にも物流施設を保有していますが、GLP投資法人は海外不動産を取得しないとされています。
このように一定度の投資家対策は講じていますが、証券会社がどの程度個人投資家に浸透出来るかは疑問ですので、大型IPOという事もあって、先ずは、大口投資家への営業攻勢が主流になるのだろうと思います。
これで、上場が噂された投資法人はイオン系だけが残りましたが、今の流れだと来年には上場してくるのではないかと思われます。

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