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2012.10.26.Up Dated. |
今後の新規上場と評価基準 |
今年の新規上場は2銘柄で終わりそうな雲行きですが、これはオリジネーターにとってREIT組成は必ずしも甘くはないということかも知れません。 今の市場から見れば、IPOでオリジネーターが投資口の売出を考えても、売却益を得られる環境ではありませんから、売出を前提にREITを組成した所は見送らざるを得ません。 一方、売出でなくとも、IPOの価格が思った程伸びない状況であれば、オリジネーターは投資法人に組成資産を高値売却することは出来ず、期待した不動産売却益も得られません。 即ち、オリジネーターにとって妙味の少ない環境ですから、もう少し状況が好転するまで待とうという事になるとも言えます。 但し、来年になればオリジネーターの利益追求が許容される環境になるという保証もありませんから、このような姿勢でREIT立ち上げを考えていると、結局は上場見送りということにもなりかねません。 今年の2件の新規上場を見ると、明らかに投資法人の評価基準が変わっていて、組成資産の質を前面に出して、資産価値を訴えるような手法は通用しなくなりつつあります。 元々、不動産の価値は画餅みたいなもので、誰かがその価値を保証してくれる訳でもなく、実現可能が担保されているものでもありません。 それに、REITはインカム型投資商品ですから、投資家が重視するのは配当金とその原資になります。 換言すれば、安定した配当金を出せる収益構造になっているのか、そして、配当金上昇が期待出来る余地があるのかという点が最大の関心事になりますから、結局はポートフォリオの内容が収益変動をヘッジ出来ているかを問われます。 次に、配当金上昇には、賃料の上昇があるかという事ですが、賃貸市場が好転すればという説明では不足です。そのような事は当たり前ですし、決してREITに限った事でもないので、それで投資資金を集めるのは無理があります。 REITの仕組みから考えると、増資の際の価格を投資口簿価より少しでも高くし、従前のポートフォリオNOI利回りを下げないような資産取得を行えば、配当金は上昇トレンドになります。 従って、このような順回転を如何にして確保するかという戦術・戦略が必要になります。 恐らく、新規上場に際してそこまで考えている所はないでしょうから、市場が勝手に盛り上がってくれなければ、どうしようもないというのが本音かも知れません。その意味でも、REITの見方が変わってきたという前提で一から見直さなくては、今後の上場は難しいのではないかと考えています。 |
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