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2012. 9.28.Up Dated.
東証REIT指数が1,000ポイント超え
 
 東証REIT指数が9月25日に1,003.79になり、翌26日も1,003.49と、2日連続で1,000ポイントを超えました。
今年は4月2日に瞬間的に1,004.16をマークしましたが、2日以上の連続は2011年8月初旬以来です。これはREITにとっては好材料ですが、このままREIT全体が上昇すると先走るのは危険です。
過去に何度も言及していますが、東証REIT指数は時価総額の加重平均が掛かっていますから、時価総額の大きい銘柄の投資口価格に左右されます。
仮に加重平均が掛からない指標で見ると、依然として基準価格(投資法人設立時の1口当たりの出資価格)を下回って、9月26日現在でも90.12%になっています。
元々、REITはそのパフォーマンスに比べて弱気過ぎる見方をされていましたから、弱気な姿勢がやや修正されたというのが現実的な見方であろうと思います。
REITの配当利回りは常に5.5%超の状態で推移していますが、一方で下値は日銀のREIT取得や主要銘柄のパフォーマンスの推移と、様々な指標から見ても大きく下げる可能性が小さいですから、一時的な1,000ポイント超えも当然だと言えます。
但し、これ以上の上昇が続けば作られた相場と言う見方も出来ますから、ここは慎重に推移を見るべきです。
現時点では、今後大きく上昇する銘柄を選別する要素はありませんし、その材料も未だ不確定です。REITは風潮だけで上昇する局面は危険ですし、又合理的理由のない投資口価格上昇は配当利回りを低下させるだけで、投資家にとってのメリットを減じます。又、REITの見方が証券会社を含めてきちんと把握されていませんから、投資家はセールストークに踊らされてはいけません。
年内は冷静に見つつ、銘柄毎の投資口価格の安定性をチェックするのが賢明ですので、こういう局面でも変動幅の小さい銘柄をウォッチしておくべきだと言えます。
勿論、REIT全体が上昇するのは好ましい事ではありますが、REITは株式と違ってマクロの動きや銘柄とは直接関係のない材料だけによって上昇するのは妥当ではありませんから、本来のREITの見方を以て状況を冷静にみることが必要だと言えます。

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