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2012. 5.14.Up Dated.
アクティビア・プロパティーズ投資法人について
 
 5月10日、アクティビア・プロパティーズ投資法人の6月13日上場予定が発表されました。
この投資法人は予てから今年の上場が予想されていたおりました。
スポンサーは東急不動産です。 元々、東急不動産は東急リアル・エステート投資法人で東急電鉄と組んで共同スポンサーでしたが、自らが主体となった投資法人を設立する為に、昨年1月にスポンサーを離脱して、新投資法人の設立準備に入りました。
その後、市場の状況を見ながら上場時期を探っていたようで、今年度中の上場予定と発表されていましたが、ケネディクス・レジデンシャル投資法人の上場に刺激されたのか予想より少し早くなった感もあります。
この投資法人は都市型商業施設とオフィスビルを組み合わせた複合型銘柄の範疇に入りますが、主体は商業施設になっているようです。
保有物件は18物件で、取得予定価格総額は170,370百万円となっています。
保有物件の中には、比較的知名度のある物件も含まれており、私がチェックしていた物件もありました。この物件は、以前東急リアル・エステート投資法人に取得予定はないのかと尋ねた所、取得価格が折り合わないとの説明でしたが、今回の目論見書ではそこそこの利回りでの取得になっていますから、昨今の不動産価格に調整された上での取得になっているようです。
一方、気になるのは、大半の物件がスポンサーからの取得でありながら、個別物件収支が掲載されていない点です。中には、東急不動産との共有物件もありますから、これらは当然過去のデータの掲載が必要です。
ケネディクス・レジデンシャル投資法人の保有物件もそうでしたが、個別物件収支が分からなければ、配当原資の安定性が計れませんから、投資家は判断に困ります。
今日のREIT市場は、スポンサークレジットだけで評価される訳ではありませんから、実力を伝える努力が不可欠です。まして今回のIPOは総額で1,020億円程度のかなりの資金調達になりますから、ケネディクス・レジデンシャル投資法人のように証券会社の営業努力で何とかなる水準ではありません。また東急リアル・エステート投資法人の現在の投資口価格は40万円台前半/口で推移していますから、基準価格50万円/口を超えるのは簡単ではありません。
勿論、この状況は承知の上での上場でしょうから、目論見としては45〜50万円の間での公募価格をと考えているのかも知れません。
子育てのように「小さく生んで大きく育てる」という考え方であれば、今回の上場は無事通過するのではないかと考えています。

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