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2012. 1. 6.Up Dated.
投資口価格の変調
 
 明けましておめでとうございます。 本年もよろしくご愛顧の程お願い申し上げます。

東証REIT指数は834.36で2011年を終えましたが、実は12月の個別銘柄の投資口価格が変調をきたしています。
12/30現在では、それまで投資口価格のトップの座に居た日本ビルファンド投資法人が、日本ロジスティクスファンド投資法人に代わり、2位の常連であったジャパンリアルエステイト投資法人は、森トラスト総合リート投資法人とフロンティア不動産投資法人に抜かれ5位に転落しています。
更に、東証REIT指数とは投資口価格が逆の動きになったのが、日本ロジスティクスファンド投資法人とアドバンス・レジデンス投資法人です。
また総じてレジデンス銘柄の投資口価格の動きが安定してきています。

これらの背景には、オフィスビル市場の低迷が2012年も続くと予想されている事と、リスクに過敏になった投資市場が安定感を最重要視するようになったからだと考えられます。
元々、インカムゲイン投資商品であるREITは安定性が第一でしたが、株式投資の考え方で上昇余地に目が向いていた為に、REIT本来の姿が隠れていました。
尤も、少しでも上向きになれば、また上昇狙いの投資が主流になるでしょうが、今の所世界経済も引き続き懸念が残っていますし、欧州の金融不安は簡単には解決されませんから、少なくとも2012年上半期はリスクに過敏な投資姿勢が続くと予想されます。
本来、REIT投資では合理的にリスクを計る投資が為されるべきですので、今の状況が悪いとは言えません。但し、REIT全体の平均予想配当利回りは約6.5%/年になっていますから、もう少し期待利回りは下がっても良いかも知れませんが、出来れば5%台前半/年の利回りで多くの銘柄が拾える状況が個人投資家にとってはありがたい環境だと言えます。
REITにとっては国内個人投資家層の浸透が重要課題になっていますから、2012年位は投資家にとって美味しい状況が続いた方が良いと思います。 そして、投資家にプレミアムが付く状態の中で、個人投資家の拡大を図り、投資主構成をREIT本来の姿に近付けていく機会だと言えます。
こういう意味では、2012年はREITにとって本来の姿を追求するチャンスだと言えますので、意識の高い銘柄にとっては好機だと言えると思います。

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