◇コラムトップ |
2011.10.14.Up Dated. |
静かなREITへ |
東証REIT指数が900ポイントを下回り10月12日には888.78ポイントになり、2008年後半から2009年前半の状態に近づいています。 東証REIT指数の算出には時価総額の加重平均が掛けられていますから、日本ビルファンド投資法人やジャパンリアルエステイト投資法人と言った上位銘柄の投資口価格の変動が大きく影響しますので、これが一つの要因になっているとも言えます。 尤も、投資口価格が下がれば利回りが上昇しますから、都度買い増していけばより高いインカムが得られますので、大口投資家の中には却って好都合という声もあります。 それに元々REIT側の事情や状況変化によって投資口価格が下がっている訳ではないので、中長期で見れば落ち着いていられるという事もあります。 但し、こういう状況はREITへの注目が減りますし、投資家層の広がりも阻害しますが、これも通らなくてはならないシーンだと言えます。 勿論、IR活動を諦めたり停滞させたりするのは論外ですが、こういう状況では、REITの真の姿を理解して貰える投資家を醸成する必要があります。 見方によっては、REITは株式投資より難しいですし、債券投資に比べると難解ですから、大衆化には無理のある商品だとも言えますが、理解度の高い一定の投資家層に支えられれば、安定したインカム投資商品としての足場を固められます。 逆に、脆弱な基盤のまま多くの投資資金が流れ込んでしまうと、2006年〜2007年前半のようなバブルになってしまいますから、却ってこちらの方が問題です。 何でもそうですが、太く長くという事はあり得ませんから、バブルのような過熱状態は極力避けて落ち着いた状況を良しとして、地道に活動を続けるのが常道です。 その意味では、REITは暫くは静かな状態に向かっていき、じっくりと基盤整備を進める方が良さそうです。 REITは投資商品として際物ではありませんし、一時の徒花として誕生した物でもありません。また多くの注目を浴びるような性格でもありませんので、この仕事に携わったり投資を行ったりする人は地道な行動を好む方が向いています。 昨今は何でも気短になる傾向がありますが、世の中には気長に構えなければならない事の方が多いですので、REITもその一つだと考えるべきだと言えます。 |
Copyright (c) SYC Inc. All rights reserved. |