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2011. 9.30.Up Dated.
円高と消費
 
 円高基調が依然として続いていて、$1=76円50銭前後で動いています。
日本から見ると何故?と思いますが、米国の景気低迷、欧州の金融不安から消去法で円が買われているので、日本に特段の事情が生じない限り、円高基調が続きそうです。
仮に東日本大震災が起こらなければ、もっと円高が進んでいた可能性もあったとも言える程です。
国内では震災の復興財源として増税が実施される見通しですし、更に消費税の増税も視野に入っていますが、先進国でこれだけスムーズに増税出来る国は少ないですから、これも円高要因にもなります。

こういう状況下では、日本が消費を拡大すれば、世界経済への貢献も出来ますが、依然として国内消費は低迷しているようです。
日本は以前からデフレが進行している為に、円高の恩恵が国内製品価格に反映されないようで、世界共通仕様であるパソコンの部品等もあまり値下がりはしていません。
一方、ネットで海外から直接購入すると円高の恩恵が得られます。
特に米国は不況によって購買力が落ちている為に、AMAZON.COM等ではバーゲンになっていて、円高と相まって、日本からだとかなり安く購入できます。
先日、パソコン関連部品を米国アマゾンから購入しましたが、国内で買う価格の3分の1以下でした。若い人にも、ネットを使った個人輸入が静かなブームになっているようですし、世界最大のネットオークションサイトであるe-bayでも、明らかに日本を意識した出品も目に付きます。韓国のネットで割安で購入するケースも多くなっているようで、まさにネットが世界を繋げているとも言えます。
こういう消費は国内統計には含まれませんので、どの程度の消費が行われているかは分かりませんが、こういう消費は今後も増加するでしょうから、最早消費動向は国内統計では測れなくなるとも言えます。それにクレジットには殆どポイントが付加されますので、小物であれば実質無料になりますから、これも消費を拡大させます。
では、ネットを使えない人はどうかと言えば、これはまさにデジタルデバイドで、円高の恩恵も受けにくくなりますが、既にシニア層にもネット利用が普及していますから、それ程深刻ではありません。
こう考えると、個人個人が身の丈に合った消費でネットを利用すれば、多少なりとも世界経済に貢献できる状況になっていますが、行政はこういう状況に追随してこられませんので、実態と統計の乖離は当分続くと思われます。

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