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2011. 9.23.Up Dated.
東証REIT指数で見る投資口価格の水準
 
 直近(9/22)の東証REIT指数が928.71になりましたが、この水準はほぼ1年前と同じです。過去5年の東証REIT指数を調べると次のようになっていますから、

東証REIT指数年間平均値
2007年 2,168.54
2008年 1,289.56
2009年 900.06
2010年 943.25
2011年9月22日現在 985.62

2011年の第4四半期は2009年の水準に戻る動きになりそうです。当時は42銘柄あった上場REITが今日では35銘柄に減少したことで、多少なりとも淘汰が進みましたので、恐らく年末の決着は、東証REIT指数が2010年の水準に戻ることになるのだろうと思います。
これはREITの問題よりも株式市場を含めた投資市場全体がシュリンクしている影響ですから、暫くは止むを得ないと言えます。

先週のコラムでも書きましたが、REITはインカムゲイン投資商品としては非常に有望な選択肢ですので、投資市場の動揺がある程度収まって、新たな模索が始まるまでは我慢する必要がありそうです。そのような動きが何時頃になるのかは明確ではありませんが、このまま無為に投資市場が縮小するとは思えませんので、案外早くインカムゲイン型投資商品に投資家の目が向くかもしれません。
株式の方も株価の下落によって配当率が3%/年近くの水準にまで上昇したようですが、こちらはキャピタルゲイン投資商品なので、配当率は余り意味がありません。
一方、REITが純粋なインカムゲイン投資商品に回帰すれば、現在の32銘柄の平均配当率は5.8%/年程度になっていますから、この先も多少は上昇しても6%/年超の水準にはならないだろうと考えられます。
この仮定に立てば、5.5%超の予想配当率になっている銘柄で、今後の予想配当金が安定している投資法人であれば、今の状況では買いだとも言えます。今後5年間の配当金が殆ど変動しなければ、30%近いインカムゲインが得られる訳ですから底値とも思える銘柄は投資妙味がありそうです。
このような見方をする投資家が多いか少ないかは分かりませんが、インカムゲインによって、先ず一定の投資リターンを得ようとする堅実な投資家にとっては、この時期のREITは注目です。
従って、もっと具体的、且つ、詳細な解説の希望もあることも考えられますので、年内には改めて個人投資家向けのセミナーを開催することを考えています。

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