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2011. 7. 8.Up Dated.
最近の増資について
 
 東日本大震災後からREITの増資が下記のように3件続きました。

オリックス不動産投資法人 ユナイテッド・アーバン投資法人 ケネディクス不動産投資法人
増資日 2011/5/25 2011/6/8 2011/7/20予定
公募増資口数 31,250口 640,000口 51,400口
内海外募集 - 199,620口 29,150口
発行価格 412,735円 91,162円 未定
発行価額 398,693円 88,357円 未定
発行価格総額 12,898百万円 58,344百万円 未定
発行価額総額 12,459百万円 56,548百万円 未定
増資前投資口簿価 547,770円 74,629円 570,027円

この3件のうち2件に海外募集が含まれていて、特に増資予定のケネディクス不動産投資法人は過半以上が海外募集になっています。
7/7時点のケネディクス不動産投資法人の投資口価格だと、次期予想配当金(9,300円/口)に対する利回りは6.46%/年になっていますから、利回りとしては魅力的です。
また増資が発表されると投資口価格が下がる傾向にありますから、利回りが更に上昇すると予想されます。
これはユナイテッド・アーバン投資法人の海外増資の際にも投資家から指摘されたようで、増資発表によって必要以上に投資口価格が下がり、利回りが上昇することで、ヘッジファンド等の注目を浴びてしまうそうです。
増資と市場価格との関係については、金融庁等も気にはしているようですが、日本の取引市場では増資前の空売りによって価格を下げて、キャピタルゲインを狙う方法が常態化していますから、REITのように長期投資家を誘引したい主体にとっては好ましくはありません。
この空売り規制については、日本は海外に比べて遅れを取っていますが、長年に亙り一部の投資家だけが利益を得られる手法で市場が成り立ってきた経緯がありますから、簡単には変わりそうもありません。
一方、この悪しき慣習も、今は利用したいREITもあるかも知れません。
増資で購入する投資家は、利回りが高く取れますから、それだけで有利と考えて増資に応じる投資家も増える可能性があります。穿った見方をすれば、ケネディクス不動産投資法人もその辺も考慮して海外募集を多くしたのかもしれませんが、今のREITの現状を見れば、それでも増資を成功させる方が良いとも言えます。
ケネディクス不動産投資法人は増資に併せて4物件を取得する予定ですが、何れも従前のポートフォリオNOI利回りよりは高い利回りでの取得となっていますから、増資価格がある程度下がっても希薄化を小さく出来るようです。
こういう事情をうまく説明出来れば、海外ローンチは成功しそうですので、今後はケネディクス不動産投資法人の後を追う銘柄も増えるかも知れませんが、今のREITにとってはそれも必要ではないかと考えられます。

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